ドゥッチョのマエスタ

シエナ県
12 /22 2015
ドゥッチョ・ディ・ブオンセーニャの作品「マエスタ」はシエナ大聖堂の祭壇画として、1308〜1311年の頃に描かれました。ドゥッチョはシエナ派の始祖とされる重要な画家です。また彼のマエスタはイタリアのプレルネッサンスの最も重要な作品の一つです。
現在はシエナ大聖堂付属美術館に展示されています。

モンタペルティの戦いでマリア様の保護のもとにフィレンツェに勝利したシエナが、マリア様へのオマージュとして制作を依頼しました。1311年にこの作品が大聖堂の中に設置されるときには、シエナ共和国の最高権力者たちが参加して、画家の工房から大聖堂まで、大きな行進が行われたそうです。
1506年まで大聖堂の中にありましたが、その後、他の教会に移され、また板絵が分解されました。そのまま幾つかの部分は失われてしまったそうです。一番大きな板絵は1795年にドゥオーモに戻ってきましたが、プレデッラ(祭壇画下部の小壁板絵、聖書や聖人のエピソードが描かれます)や尖塔の部分は分散されてしまいます。ちなみにこの作品がイタリア絵画で知られている最初のプレデッラだそうです。
maestà di duccio
非常に大きな祭壇画で (425x212 cm)、モニュメンタルな聖母子が中心にいます。
表裏のうち、この表の部分が一般信者が目にする部分でした。
金の背景を後ろに、聖人や天使が王座を囲んでいます。中でも下に跪いているのは4人のシエナの守護聖人です(Sant'Ansano, San Savino, San Crescenzio、San Vittore)
左右の端に立っているのは2人の守護聖女(Sant'Agnese、Santa Caterina d'Alessandria)
聖女の洋服の襞のカール具合は、ドゥッチョの「ルチェライの聖母(ウッフィツィ美術館所蔵)」を彷彿とさせます。

人物たちは、聖母子を中心にきっちりとした左右対称の構図で並んでいます。マリア様が座っている王座は広い空間を意識して表現されていて、これはチマブーエがすでに使った新しいモチーフでした。
柔らかい色、甘く自然な作風、子供のイエスも深い優美に満ちていますが、その身体には重さが感じられず、超自然な様子です。
また上部の10人の使徒はドゥッチョの工房作品です。

この部分のプレデッラは「イエスの幼少時の物語」で、主人公はやはりマリア様となります。

マエスタの裏側は聖職者が目にする面でした。
maestà di duccio2
キリストの受難と復活の物語が26の場面に表現されています。
このテーマを扱った作品の中では、面積の大きさでイタリアでも最大の作品となります。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。