サンタ・フェリチタ教会

フィレンツェ市
01 /02 2016
ヴェッキオ橋の近くにあるサンタ・フェリチタ教会をご紹介します。
フィレンツェでもサン・ロレンツォ教会と並んで、古い歴史を持つ教会です。
sf2

初期キリスト教時代
最初の教会は、おそらく古代ローマ帝国時代まで遡ります。初期キリスト教徒の墓地の近くにバジリカ平面を持った祈祷所が建設されました。
教会の床に今もカプチン修道会の墓の跡を見つけることができます。ここにキリスト教徒のカタコンベがあった可能性もあるそうです。
また教会の横にはギリシア語で書かれた墓碑も保存されています。すでに2世紀の頃からシリアの商人がこのゾーンに住み、町にキリスト信仰を広めていきました。
ある程度広い面積を持った教会の建設は4世紀か、5世紀初めのことと考えられます。
サンタ・フェリチタというのは、マルクスアウレリアス帝時代のカルタゴで殉教した聖女の名前です。

西ローマ帝国の滅亡により、ゴート族やランゴバルト族がフィレンツェを支配し、町の城壁の外にあったこの教会は破壊されたと考えられます。また地下道の跡が残っており、ローマ帝国時代のカッシア街道の名残とも考えられています。

ロマネスク時代
しかしフィレンツェ人はすぐに前の教会のあった場所の横に2番目の教会を建設しました。半円形の後陣、地下祭室の柱などが教会の地下に残っています。2番目の教会は1番目のそれよりも小さかったようで、次第にアルノ川対岸の人口が増えるに従って、大きな教会が必要となります。

11世紀
新しい教会の建設は1055年(フィレンツェ公会議が行われた年)となります。ベネディクト修道院が隣接して建てられたという記録があり、法王ニコロ2世によって聖別されています。

14世紀まで信仰の場となっていましたが、1348年のペスト大流行の頃に放棄されたと考えられています。
衛生状態をよくするために、教会の床の下に死体を埋め、石灰灰で覆うと命令が出たためです。これらの教会ではペスト患者を内部で看病していたのです。

ゴシック時代
尼僧たちの希望により新しい教会がゴシック様式で建設されます。1354年の頃に聖別されました。
現在の教会よりも低いファサードを持ち、中央に丸い窓がありましたが、ヴァザーリの回廊が設置されたためにあまり見えなくなってしまいました。グイッチャルディーニの家紋が3つ残っています。
内部は単廊式で、翼廊は後陣の5つの礼拝堂で構成されていて、中央が主祭壇です。
14世紀のフレスコ画では、ニッコロ・ディ・ピエトロ・ジェリーニの作品が一部残っています。

18世紀
現在の内部は18世紀にルッジェーリによって改築されたものです。対抗宗教改革のノルマに従っての改築でした。
改築を逃れたのはバラバドーリ・カッポーニ礼拝堂、カニジャーニ礼拝堂、17世紀の内陣席だけです。ルッジェーリは16世紀終わりの明確なリズムのある様式からインスピレーションを得て、単廊式の堂内に表現しています。
sf1

参照 luoghi delle fede

スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。