若きヨゼフは珍しい?

芸術を読み解く
02 /24 2016
フィレンツェのサン・ロレンツォ教会に展示されている「聖母(処女)マリアの結婚 Sposalizio della Vergine」は、ロッソ・フィオレンティーノが1523年に描いた油彩画です。
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この作品が特異な点は、夫となるヨゼフが若者として描かれていることです。
マリアが処女のまま結婚したということを表現するため、ヨゼフはマリアよりもかなり年上の年配の男性として描かれることが多いのです。

なぜロッソ・フィオレンティーノはこのような、普通とは違う様子でヨゼフを表したのでしょうか?

一説には法王レオ10世が約束して、クレメンテ7世が継続した「教会の改革」を象徴していると言われます。
レオ10世とクレメンテ7世はメディチ家出身の法王で、いとこ同士。そしてサン・ロレンツォ教会は、メディチ家の菩提寺として、彼らの資金で改築された教会なのです。

他の説は、ロッソ・フィオレンティーノの個人的な選択だったという説です。
だとするとマリアから神聖さを奪うギリギリのラインの表現を試みたことになります。
このヨゼフは、ドナテッロが彫ったダヴィデ像(バルジェッロにはドナテッロのダヴィデが2作ありますが、若い時代に彫った方です)からインスピレーションを受けているそうです。
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参照 Guida d'Italia, Firenze e provincia "Guida Rossa", Touring Club Italiano, Milano 2007.
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。