聖遺物箱 reliquiario

芸術を読み解く
03 /01 2016
前回に紹介しました「聖遺物 reliquia」を保存する入れ物が「聖遺物箱 reliquiari」です。
聖遺物箱の大きさや形はかなりバリエーションに富んだものです。
壺、手箱、小箱、小瓶、棺…

ごく初期の聖遺物箱は、殉教者の墓やイエスの一生に関係した場所に設置された祭壇の形を取っていました。

当時のローマの教会は、遺体に不当に手をつけることや移設に反対していましたので、信者の信心深いリクエストに対して墓に入れられていた遺品への接触だけを許していました。

それに比べ東の正教会では4世紀頃から聖人の遺体に手をつけたり、遺体移設を許していました。これはコスタンティノーポリ→南部の町→アフリカ→西欧と広まっていきます。

5〜6世紀のグラード大聖堂の主祭壇の下には、銀製の聖遺物箱が発見されました。これが、祭壇の基盤の中で聖遺物箱を保存する様式の、発見された最も古い例です。

その後、聖遺物箱の形は多岐に発展していきます。カロリング朝時代には大きな長持ちのような形の聖遺物箱が制作されます。これはアルプス山脈より北の教会によくみられました。同時に小型の聖遺物箱も作られるようになります。

ロマネスク時代〜ゴシック時代には、彫金技術の発展とともに、豪華なマテリアル(宝石や七宝焼きも含む)を使用した例が多くなります。こうして芸術品としても優れた品となっていきました。
聖遺物箱

12世紀 十字架の形をした入れ物に聖十字架の破片が収められるなど、内容物をイメージ化した聖遺物箱が出てきます→B
13世紀 小さな神殿など、建築の形をした聖遺物箱が登場。
14世紀 人間の体の一部を象った聖遺物箱、これも内容物をイメージを再現→C
15世紀 胸像の形をした聖遺物箱が普及します(14世紀から見られます)
17世紀 聖体顕示台の形の聖遺物箱(14世紀から見られますが特にバロック時代に流行りました)→D

参照 参照 http://www.treccani.it/enciclopedia/reliquia/
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。