ヘラクレスの部屋

アルノ河南地区
05 /26 2016
ピッティ宮殿のパラティーナ美術館に「Quartiere del Volterrano ヴォルテッラーノの区画」と呼ばれる4部屋があります。あまりツアーでは入ることのない部屋です。
ヴォルテッラーノことバルダッサーレ・フランチェスキーニという17世紀の宮廷画家の名前に由来した区画で、4部屋のうちの「寓意の部屋」のフレスコ画を担当しましたが、続く部屋も彼の名前で呼ばれています。
アンマンナーティによってつくられた中庭に沿ってつくられたこれらの部屋は、最初はギャラリーには使われておらず、1928年からギャラリーの仲間入りしました。廃止された修道院や教会から来た作品を展示する新らしい部屋が必要となったためです。

その一番奥になる部屋が「ヘラクレスの部屋」です。

メディチ家の時代には「ドイツの衛兵の居間」と呼ばれ、大公妃の居住区画でした。
19世紀初めに大きく改築され、新古典主義の芸術家によって装飾されました。
建築家 ジュゼッペ・カチャッリ
絵画装飾 ピエトロ・ベンヴェヌーティ
二人ともイタリア新古典主義の主役です。
5枚の大きな絵画、そして10枚のキアロスクーロ(モノクロームで描かれた作品)はギリシャ神話の英雄ヘラクレスの物語を表しています。その優雅な作風は、この部屋を19世紀フィレンツェ文化の重要な場所の一つにしています。

「蛇を殺す幼児ヘラクレス」
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ヘラクレスはユピテルの浮気の結果に生まれた子供だったので、ユピテルの妻のユノの敵意にさらされて生きます。
まだヘラクレスが幼児の頃に、ユノは2匹の毒蛇を送り込みましたが、彼は苦もなく毒蛇を絞め殺します。

「デイアネイラを攫ったケンタウロスと戦うヘラクレス」
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ケンタウロスのエウリュティオンはヘラクレスの恋人だった娘(おそらくデイアネイラ)と結婚しようとしますが、式の当日のヘラクレスが戻ってきて、花婿とその兄弟を殺し、花嫁を連れ去ります。

「アルケスティスを蘇らせ、花婿のアドメトスと再会させるヘラクレス」
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アルケスティスは夫のアドメトス王が死にそうになった時に、進んでその身代わりになりました。ヘラスレスは地下世界に追っていき、「死」と格闘して、王妃を地上に連れ戻しました。

「分かれ道のヘラクレス」
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「美徳」と「悪徳」の擬人化の女の誘いの間で、ヘラクレスが迷っている寓意画です。
美徳(知恵の女神ミネルヴァ)が導く道は岩がゴロゴロ、ほとんど裸の「美徳」が誘う方向にはこれも裸身の女性たちが舞い踊っています。

「ヘラクレスとへべの結婚」
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ヘラクレスは死ぬとオリュンポス十二神の1人としての席を得て、ユピテルとユノの娘で青春の女神であったへべと結ばれました。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。