クーポラギャラリー

ドゥオーモ地区
06 /14 2016
2015年にリニューアルオープンしたフィレンツェの大聖堂付属美術館。
ウッフィツィについでフィレンツェで最も大きな面積を持った美術館となりました。
新しい展示室、展示物を見ていく第8弾です。

「クーポラのギャラリー」は、1418年から1436年にかけてフィリッポ・ブルネレスキによって建設されたクーポラ(丸屋根)に捧げられた部屋です。
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フィレンツェでは大聖堂よりも前に建設されたクーポラがありました。洗礼堂です。
中世の12世紀中頃のことです。しかしこれは丸い形ではなく「八角形底の円錐形」でした。直径は26m。
フィレンツェ市民は大聖堂の屋根にも、これを真似たスケールの大きなものを考えていたようです。
「8」は永遠を意味する数字でした。
後陣に大きな角柱やバットレスを建設し、クーポラの重量を支えることができるようにしました。
翼廊に放射線状に設置された15の礼拝堂はこのバットレスの間にくさびのようにはまり込んでいる構造です。

さらにその上にドラム(丸屋根の下の円筒壁体)が建設されます。
この部分によって、クーポラによりいっそうの高さを出すことができるとともに、クーポラの重さを下部の構造に導く、圧力の道付けをすることができるのです。

ここでブルネレスキの出番となります。
ローマでパンテオンのような古い建築物のクーポラを研究したブルネレスキは、同様のクーポラを建設することを主張し、卵の殻を使った説明で人々を説得したと言います。

クーポラギャラリーでは、クーポラ建設の経緯を説明するフィルムを放映しています。
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ブルネレスキは、しかし技術的な詳細は隠したまま工事に入ります。
計画は2重クーポラを重ねて建設するというものでした。2つのクーポラは隠されたリブによって繋がれていますが、これはサンジョヴァンニ洗礼堂と同じ構造です。
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カゼンティーノの森からアルノ川を経由して運ばれてきた大木によってクーポラ内に足場を建設。この足場は中央部分が空いていて、そこからクレーンを使って石材を現場の高さまで引き上げました。

ランターン(丸屋根の上の頂塔)もブルネレスキの設計です。しかしランターンの完成前にブルネレスキは亡くなりました。
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クーポラの内側に描かれたフレスコ画の詳細が映されています。フレスコ画は16世紀のヴァザーリとズッカリの作品です。
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参照 Il nuovo museo dell'opera del Duomo , Timothy Verdon, Mandragola, ISBAN978-88-7461-267-3
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。