ドゥオーモの地下に眠るサンタ・レパラータ教会

ドゥオーモ地区
06 /22 2016
フィレンツェのドゥオーモ(サンタ・マリア・ノヴェッラ教会)の地下には遺跡があり、教会内部から階段でアクセスできるようになっています。
教会関連の有料チケットで入場できる場所ですので、クーポラに登るためにチケットを購入したら、同じチケットでここも見学できます。

(2016年6月現在、15ユーロチケットで入場できるのは、クーポラ+ジョットの鐘楼+ドゥオーモ地下+サンジョヴァンニ洗礼堂+大聖堂付属美術館の5ヶ所です)

この地下の遺跡は10年による発掘作業の結果、1974年から見学可能となりました。
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サンタ・マリア・ノヴェッラ教会以前に、ここに建っていたサンタ・レパラータ教会の遺構となり、地下遺跡全体を「サンタ・レパラータ」と呼んでいます。

サンタ・レパラータ教会の建築は5世紀初めに遡ります。
4〜5世紀にかけてフィレンツェでは、幾つかのキリスト教聖堂の建設が行われました。
これらの教会は、古代ローマ時代の都市を南北に横切る「カルド」の軸に沿って建設されていきました。

城壁外、南にアルノ川を渡った場所にサンタ・フェリチタ教会
南の城門のすぐ近くにサンタ・チェチーリア教会
城壁外、北にサン・ロレンツォ教会
北の城門のすぐ近くにサンタ・レパラータ教会

4世紀終わり〜5世紀初めにフィレンツェがゴート族の攻撃を退けた日が、サンタ・レパラータの日であったため、この聖女に捧げる教会が建設されました。

地下には紀元前1世紀〜14世紀のそれぞれの時代の遺跡が残っていますが、これを4つのフェーズに区切ってみましょう。

(1)紀元前1世紀〜4世紀 古代ローマ時代
フィレンツェに最初のローマ植民都市が建設された頃の遺跡。ドムスの一部と考えられています。一番地下深くのレベル(道路より1、7m下)にあります。

(2)5〜7世紀 初期キリスト教時代
サンタ・レパラータ教会が建設されます。長さ50m、幅25mで三身廊は円柱で区切られていました。トゥーシャ(エトルリア人の支配後のエトルリア南部に割り当てられた名称、トスカーナ+ウンブリア+ラツィオ西側)でも最も大きな教会の一つでした。

(3)8〜10世紀 中世初期
改築が行われます。
●円柱を角柱にする
●地下聖堂(クリプタ)を建設する
●後陣左右に礼拝堂を付け加える

(4)11〜14世紀 ロマネスク
さらに改築が行われます。
●クリプタの拡張
●小後陣の放射状礼拝堂の追加(おそらくここにあった塔を破壊して建設)
●正面にポルティコを建設(円柱の基盤から、現在のドゥオーモよりも洗礼堂側に13m寄っていました。

サンタ・レパラータ教会は、現在のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の建設が進んだため、14世紀終わりに解体されてしまいます。

地下では遺跡の説明の短いフィルムを見ることができます。
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次回は遺跡の細かい部分を紹介しましょう。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。