ウッフィツィ古代彫刻の鑑賞ポイント

シニョーリア広場地区
07 /04 2016
ウッフィツィ美術館の古代彫刻コレクションの中で、最上階の廊下に並んでいる作品を鑑賞するときに頭に留めておくと良いポイントを書きたいと思います。

古代彫刻コレクションの展示方法は16世紀終わりから1780年まで続いたものを模倣しています。
1742年製作の廊下の様子を表した浮き彫りがその元になっている資料です。
これによると、立像に関しては何らかのルールに沿って展示されていたわけではないのですが、胸像に関してはある法則に則っています。

◉廊下の壁側にはローマ帝国皇帝の胸像を、皇帝になった順番に設置。

◉廊下の窓側には、ローマ帝国皇帝の家族(妻、兄弟など)の胸像を設置。


そして先日の日記に書きました古代彫刻コレクションの歴史「ウッフィツィとメディチと古代彫刻」も参照にして、鑑賞のポイントは…

◉立像の大部分は古代ギリシャの作品(紀元前5世紀〜紀元前1世紀)を、古代ローマ帝国時代にコピー(紀元前1世紀〜紀元2世紀)したものです。

◉ローマ帝国皇帝とその家族の胸像は紀元前1世紀〜紀元3世紀のものです。

◉立像は「胴体部分だけ」「頭部だけ」が見つかるなど欠けている部分が多かったので、他の彫刻とくっつけたり、当時(16世紀〜17世紀)の芸術家に欠けている部分を補填しました。

◉これらの修復によって、テーマがオリジナルのものから大きく変更されたものもあります。

例1 アスクレーピオス(ギリシャ神話の名医)の持ち物を蛇が付いている杖から雷に変えることによって、ゼウスとしました。
例2 apollo sauroctono(蛇を追い払うアポロン)という有名なモチーフの持ち物を竪琴に変え、音楽の神アポロンとしました。

◉修復によって彫刻表面を研いで磨いたため、彫刻のオリジナルの表層が失われ、輝きがなくマットな表面になっている作品があります。

参照「Uffizi le sculture antiche」Giovanni di Pasquale, Fabrizio Paolucci Giunti ISBAN 88-09-01945-8
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。