チェトラで弾き語りをするアポロン

シニョーリア広場地区
07 /06 2016
ウッフィツィ美術館の古代彫刻を紹介するシリーズです。
今回は「ヘレニズムの大理石」という部屋にある「Apollo citaredo チェトラで弾き語りをするアポロン」です。
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2世紀の作品で、以前はローマのメディチ家別荘に置かれていました。

チェトラはリュートに似た撥弦楽器で、16〜17世紀に流行しました。
チェトラを弾いている太陽の神アポロン。彼が足を置いている切り株に、蛇が巻き付いてアポロンに近づこうとしています。アポロンの唇は微かに開いていて、歌っているかのようです。うっとりとした眼差しも歌の世界に浸っているからかもしれませんね。

図像としては珍しいもので、ヴェネツィアに保存されている作品が唯一似た例になっています。

おそらくヘレニズム時代(紀元前2〜紀元前1世紀)の作品が元になっている、ローマで帝国時代のコピーと考えられます。

瞳には虹彩が掘られていませんが、巻き毛の中にはドリルで軽く彫った跡があり、このテクニックがフィレンツェコピーが紀元2世紀頃の作品であるとされる所以です。

両腕と左脚は後世の修復にによって付け足された部分です。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。