ゼウスの頭

シニョーリア広場地区
07 /07 2016
ウッフィツィ美術館の古代彫刻を紹介するシリーズです。
今回は「ヘレニズムの大理石」という部屋にある「ゼウスの頭」2体をご紹介します。

部屋の入り口左に置かれているゼウスがこちらです。
2世紀ごろの作品でローマにあるメディチ家の別荘に置かれていました。
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オリジナルはヘレニズム時代中期に制作された作品です。このローマ帝国時代のコピーは18世紀にイノチェンツォ・スピナッツィによって修復されました。サン・ジョヴァンニ洗礼堂の扉の上の天使の像を制作した彫刻家ですね。

ゼウス、ネプチューン、セラーピスの3人は、父性を持った神として表現されます。
正面からゼウスを表現するパターンや髭の部分は、バチカンの「Zeus di Otricoli」を想起させます。このパターンの悪品では最も保存状態がいい例です。

バチカンにあるZeus di Otricoliはこちら
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また髪の毛の様子はBriassideによって彫られたセラーピス(プトレマイオス朝時代のエジプトの神)に似通っています。
Briassideは紀元前4世紀に活躍したギリシャの彫刻家です。


「ヘレニズムの大理石」の部屋の出口付近に置かれているゼウスも2世紀終わりの作品です。1584年からメディチ家の別荘に置かれ、18世紀にウッフィツィに運ばれてきました。
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大きな蛇がとぐろを巻いているような髪の毛、髭、父性に溢れた個性の表現が見られます。

やはりZeus di Otricoliをコピーしたものです。
Zeus di Otricoliは、ギリシャの古典後期の彫刻家Leocare(Leochares)の作品が手本になっていると考えられます。プリニウス(古代ローマの政治家で「博物誌」の著者)の本にも書かれている作品で、アウグストゥス帝によって紀元前22年にカンピドーリオに運ばれてきていました。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。