ウッフィツィの軍神アレース

シニョーリア広場地区
07 /21 2016
ウッフィツィ美術館の古代彫刻を紹介するシリーズです。
今回は最上階の第一の廊下に展示されている「Ares Borghese ボルゲーゼのアレース」です。
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アレースとは、ギリシャ神話の戦いの神で、ローマ神話のマルスにあたります。

紀元前5世紀にアッティカの芸術家Alkamenes アルカメネス(繊細な技巧が高く評価されていた)の作品を紀元1世紀にコピーしたものです。
1638年にウッフィツィのコレクションに加わり、この時に欠けていた両腕と両足が付け足されました。黒大理石製です。

オリュンポス十二神の一柱であるアレースはゼウスとヘラの息子で、性格は粗野で残忍かつ不誠実であり、他の神と比べてモラルが低い神とされています。
恋人アフロディーテ(ローマ神話のヴィーナス)と一緒に表現されることが多く、このカップルを扱った作品はヘレニズム時代とルネッサンス時代に好まれました。

ウッフィツィ美術館の作品では兜を頭に、盾を左手に、柄だけが残っている剣を右手にした状態になっています。武器が「戦いの神」のシンボルです。

ちなみにルーブル美術館にも似たようなコピー作品が展示されています。

フィレンツェのサンジョヴァンニ洗礼堂がある場所には、古代に軍神マルスに捧げられた神殿があったとされ、この神はフィレンツェにとっても特別な意味合いがあります。ダヴィデの前はマルスが町の守護神の扱いだったそうです。

参照「Uffizi le sculture antiche」Giovanni di Pasquale, Fabrizio Paolucci Giunti ISBAN 88-09-01945-8
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。