クーポラのフレスコ画 契約の壁龕

ドゥオーモ地区
08 /07 2016
フィレンツェの大聖堂(ドゥオーモ)の丸屋根(クーポラ)内部に描かれたフレスコ画の詳細について、ご紹介します。

丸屋根の頂上にはランテルナと呼ばれる部分があります。ランテルナの窓から入る外光がクーポラの中をうっすらと照らします。そのランテルナの足元、クーポラの中央部分には灰色の色彩で書かれた部分があります。
クーポラのフレスコ画はヴァザーリと、その後を継いだズッカリの2人の画家の手によるものですが、この灰色の部分はヴァザーリが担当しました。

まるで浮き出ているかのように、だまし絵の建築のように描かれているこの部分はtavernacolo dell'Alleanza(契約の壁龕)と呼ばれる神の居住地で、8つの壁龕で構成されています。
それぞれの壁龕の中に3人の人物が描かれて、全部で24人のVegliardi(老翁)となります。彼らは聖ヨハネが書いた黙示録に出てくる人物で、それぞれ頭にに王冠、手にチェトラという撥弦楽器を持っています。中には王冠を足元に置いている老翁がいますが、これは地上の権力の象徴が神の至高の力の前に支配されていることを示します。

そして壁龕の柱の下部に開かれた本があり、それぞれに新約聖書の著者の名前が載っています。本の上には彼らのシンボルも描かれています。例えば「パオロの上には剣」「ピエトロの上には2本の鍵と法王冠」といった具合です。
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これらの人物像はとても立体感がありますが、ミケランジェロが描いたシスティーナ礼拝堂の天井画からインスピレーションを受けていると言われています。ミケランジェロを敬愛していたヴァザーリですから、大いにあり得る話ですね。

参照 Gli aggreghi della Cupola di Santa Maria del Fiore, LIBRERIA EDITRICE FIORENTINA
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。