クーポラのフレスコ画 審判者のキリスト

ドゥオーモ地区
08 /08 2016
フィレンツェの大聖堂(ドゥオーモ)の丸屋根(クーポラ)内部に描かれたフレスコ画の詳細について、ご紹介する第2弾です。

今回は8角形のうち、東の部分を見ていきます。
affresco del d8 

大きな「審判者のキリスト」がいるこの場面が天井画の中心といってもいいでしょう。

上から下に見ていきます。
一番上には「ECCE HOMO(この人を見よ)」というピラトの言葉が記されてます。
鞭打たれ、茨の冠を頭に乗せられたイエスが群衆の前に引き出されてきた時の言葉です。
祭司や護衛兵は「(彼を)十字架に架けよ、十字架に架けよ」と叫びました。

その左下には「INRI」という文字があります。イエスが死刑になった罪状「Iesus Nazarenus Rex Iudaeorum(ユダヤの王、ナザレのイエス)」のイニシャルです。普通はイエスが磔になる十字架の上に書かれている言葉ですね。

その下にはセラフィムやケルビムといった上級天使に囲まれている「審判者のキリスト」がいます。それ以外にも7人の天使の姿が見られ、そのうちの一人がイエスに剣を差し出していますが、これは「審判」のシンボルです。
他の天使が差し出している「百合」はマリア様のシンボル、そして仁慈のシンボルでもあります。

キリストの左にはマリア様が両手を合わせて人々の救済を願い、右では長い十字架を持った洗礼者ヨハネがいます。
ヨハネの横には背を見せているアダムと跪いたイブが見えます。

キリストの真下には天球に釘を打っている天使がいて、これは最後の審判の日には、星の動きも含めたすべての時が止まることを示します。

その下には雲に乗った3人の女性、対神徳「慈愛」「希望」「信仰」の偶像です。
慈愛は子供を連れ、希望を両手を合わせ、信仰は十字架を持っています。
信仰は普通は白い服を着ていますが、ここでは透明のベールだけ。これは審判の日にはそれまで隠されていたすべてが公にさらされることを示します。

対神徳の左右には、フィレンツェの守護聖人たちのグループがいて、フィレンツェ人のために救済を願っています。

8角形のうち、他の7片の下層は原罪や地獄を表現していますが、東の部分だけ違います。
中央の若い女性は「闘争的な教会」の偶像です。プットーから勝利のマントや王冠を与えられています。右下のプットーはフィレンツェ共和国のポーポロ(人民)のシンボル赤い十字が入った盾を支えています。壊れた砂時計を持っているのは「時の翁」です。下に縮こまった老人は「過去」を、子供は「未来」を表しています。

最下辺中央には「自然の母」と「4つの季節」が、永遠の眠りについています。
死の象徴である骸骨は神に敗北した様子で自分の鎌を折っています。死の近くにいる二人のプットーは折れた剣とパンドラの壺を持っていて、これも死の象徴です。

下辺の両側には角柱の上で燃えている蝋燭があり、角柱にはそれぞれ「フェデリコ・ズッカリ(フレスコの作者)」「1578年」の表記があります。

東から始まり、時計回りに見ていくフレスコ画、次回は北東部分です。

参照 Gli aggreghi della Cupola di Santa Maria del Fiore, LIBRERIA EDITRICE FIORENTINA



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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。