クーポラのフレスコ画 兄弟愛の美徳と羨望の大罪

ドゥオーモ地区
08 /09 2016
フィレンツェの大聖堂(ドゥオーモ)の丸屋根(クーポラ)内部に描かれたフレスコ画の詳細について、ご紹介する第3弾です。

今回は8角形のうち、北東の部分を見ていきます。
affresco del d7
東の区画「審判者のキリスト」の左に当たる部分です。
上部にはTroni(座天使)たちがいます。tronoとは「王座」のことですが、ここでは天使のヒエラルキーにおいて、第3位の上級天使の総称です。物質の体を持つ天使としては最上級。燃える車輪の姿で描かれることが多いのですが、ここでは雲に座って頭に白い帯を巻き、手には正義の笏を持っています。その上には二人の天使が十字架を支えて飛翔しています。

その少し下には小さなか天使が本を広げて示しています。下から見るとほとんどわからないのですが、本の上には天に向けた瞳が描かれていて、罪を拭った良心の表現となります。

その下の左右の人物グループは使徒と福音書記者たちです。獅子、牛、鷲、天使といった福音書記者たちのシンボルも見えます。

その下には「兄弟愛」「平和の至福(中央で羽を持っている)」「賢明(ミネルヴァに似た姿)」の3人の偶像がいます。彼女たちの足元の雲の中には怪物が本を持っています。その中央の穴は下を向いた「罪に汚れた意識」のシンボルです。

右下の遠景では、救出された魂が天使に助けられながら天を目指しています。
一方、左下では二人の天使が「最後の審判のラッパ」を吹き鳴らし、地獄に落ちた人々を7つの大罪の1つ「羨望」に支配された世界へと追いやります。

羨望のシンボルはヒュドラです。ギリシャ神話にてヘラクレスが退治した9頭の大蛇(この絵の中では7つの頭になっています)エデンの園の例にも見られるように、カトリックの世界では、悪魔は蛇の姿で表現されることが多いのです。
地獄の中には髪の毛を掻き毟る人物がいますが、これが「羨望」を表現する代表的なジェスチャーです。

八角形の区画を時計回りに見ていくフレスコ画、次回は北部分です。

参照 Gli aggreghi della Cupola di Santa Maria del Fiore, LIBRERIA EDITRICE FIORENTINA

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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。