クーポラのフレスコ画 正直の美徳と怠惰の地獄

ドゥオーモ地区
08 /10 2016
フィレンツェの大聖堂(ドゥオーモ)の丸屋根(クーポラ)内部に描かれたフレスコ画の詳細について、ご紹介する第4弾です。

今回は8角形のうち、北の部分を見ていきます。左翼廊の上に展開する場面です。
ちなみにこの翼廊の中央礼拝堂にはイエスの聖遺物「十字架の破片」が保存されています。
affresco del d6 
場面上部にはイエスが鞭打ちにあった円柱を二人の天使がささえ持っています。イエスの受難の象徴の一つです。
その少し下には主天使がいます。天使のヒエラルキーの2番目に当たります。祭司の服を着て、手には小さな十字架がついた杖を持っています。

雲の中に穴が開いていますが、これは「罪を払った良心」の表現し、上を向いた目となります。
これは他の方角のフレスコ画でも同じ意匠となっていますね。

中央部分の層は、法王、司教、祭司などグループとなります。それぞれ冠や服装で地位がわかります。
司教たちは使徒の後継者であり、神の民を導く任務があります。司教冠は、古代に彼らが受け取っていた「真実の守護者の兜」の形からきているそうです。
祭司は説法と秘跡(洗礼、堅信、告解、聖体、終油、叙階)を運営する役割があります。その服装はtalareと呼ばれる長裾の服です。ラテン語ではtalus、tallone(かかと)まで届く服という意味です。

その下の層は3人の美徳の偶像です。
賢明 賢さのシンボルの蛇と鏡を持っています。
温和、正直であることの幸福 羽を生やし、手に花を持っています。
知性の恩恵 両手を胸の上で交差させています。

その下では他の場面と同じように、本の中央の穴が下を向き「罪に満ちた意識」を表します。

下層の左では救済された魂が天使によって天の世界へと導かれます。
反対に右では二人の天使が「最後の審判のラッパ」を吹き鳴らし、人々が大罪「怠惰の地獄」に追いやられています。善行や美徳を行使することを怠った人々です。怠惰のシンボルとなる動物がロバ。怠惰で頑固、知性を持たないとされ「言葉でも行動でも怠け、不正直な人間」の象徴とされます。

八角形の区画を時計回りに見ていくフレスコ画、次回は北西部分です。

参照 Gli aggreghi della Cupola di Santa Maria del Fiore, LIBRERIA EDITRICE FIORENTINA
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。