クーポラのフレスコ画 純粋の美徳と淫欲の地獄

ドゥオーモ地区
08 /11 2016
フィレンツェの大聖堂(ドゥオーモ)の丸屋根(クーポラ)内部に描かれたフレスコ画の詳細について、ご紹介する第5弾です。

今回は8角形のうち、北西の部分を見ていきます。ドゥオーモの左翼廊の上に位置します。
affresco del d5 

最上部にはキリストの受難の象徴の道具を大天使たちが持っています。
イエスを十字架に固定するために使われた釘やトンカチ、それを抜くためのペンチなどです。
大天使は天使の階級の3番目に位置し、人間にメッセージを運ぶ役割があり、人間と直接に関わり合うため一番低い階級です。

その下の3人の天使が持っている本には、罪を拭った良心の目が天を向いています。

中央の層には、左に修道僧たち、右に聖処女たちがいます。
修道僧のグループでは、聖ドメニコ(白い服に黒いマント、百合の花を持つ)や聖フランチェスコ(灰色の服に、3つの結び目がついた腰帯、手の平に聖痕の跡)などの巣があたが伺えます。それ以外には聖アントニオ、聖ベネデット、ステファノ修道僧(カマルドリ修道院を手に持っている)などもいます。

処女たちの中には、聖キアラ(座っている)や聖スコラスティカ(黒い服、聖ベネデットの姉妹)の姿があります。

その下には3人の美徳の偶像
節制
心の純粋さ
同情(憐れみ)

「心の純粋なるものは神の姿を見ることができるでしょう」という聖マタイの言葉に表されている美徳が中心にいます。左手に心臓を持ち、神を見上げています。頭の上には花冠が。
緑色の服を着た「節制」は重りのついた2本の紐を持っています。秤はこの美徳のシンボルです。
「憐れみ」は赤い服を着て、両手を開いています。

その下では他の場面と同じように、本の中央の穴が下を向き「罪に満ちた意識」を表します。

遠景の右手では救済された魂が天使によって天の世界へと導かれます。
一方、断罪されたものたちは「淫欲」の地獄へと追いやられています。この大罪のシンボルに使われている動物はイノシシです。その大食の様子から悪徳の象徴として使われることが多い動物です。
角の下に座っている気味の悪い人物は皮を剥がれていて、体も魂も死んだ状態を表します。クーポラのフレスコ画に4回出てきます。

八角形の区画を時計回りに見ていくフレスコ画、次回は西部分です。

参照 Gli aggreghi della Cupola di Santa Maria del Fiore, LIBRERIA EDITRICE FIORENTINA





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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。