クーポラのフレスコ画 節制の美徳と暴飲暴食の地獄

ドゥオーモ地区
08 /25 2016
フィレンツェの大聖堂(ドゥオーモ)の丸屋根(クーポラ)内部に描かれたフレスコ画の詳細について、ご紹介する第8弾です。

今回は8角形のうち、南の部分を見ていきます。右の袖廊部分の上に位置します。
右の袖廊は中央の礼拝堂に1796年から「無原罪の御宿りの聖母」の絵が置かれたことから、「聖母のトリブーナ」「無原罪のトリブーナ」と呼ばれています。
それ以前は「聖アントニオのトリブーナ」と呼ばれていました。これはステンドグラスのモチーフからつけられた名前です。

affresco del d2

上部では二人の天使が酢が入った容器と、スポンジを棒の上につけたものを持っていますが、これはイエスの受難の象徴の一つです。
その下に並ぶ天使はDominazioni(主天使)です。すべての地上のしがらみから自由である天使で、黙示録に天使の軍隊として表されます。第三階級の天使ですが、同じ階級の大天使や座天使よりも上の地位にあります。

中央部分は重要な教義を著した教会博士たちがいます。彼らは図像学では老人の姿で表現されるのが普通です。

大グレゴリウス  法王の姿をしています。
聖アウグスティヌス 司教の姿で、横にいる聖ヒエロニムスに話しかけています。
聖ヒエロニムス  隠匿者であることを示す長い髭をつけています。
聖アンブロシウス 司教の姿で、両手で持った巻物を熱心に読んでいます(鞭を持った姿で描かれることが多いのですが、これは彼の異端派に対する闘争を示すためです)
また右手のグループの上には小さく頭巾姿のダンテもいます。

その下には3人の美徳の偶像です。
科学の恩恵 老女の姿で手に何かの道具を持っています。
正義を熱望する幸福 羽と冠をつけ、左手から財宝を落としています。
節制の美徳 慎ましやかで真面目な様子です。

最下辺は暴飲暴食の大罪の地獄です。
右手では罪を逃れた魂が天使の助けにより天の世界に向かっています。
断罪された人々は地獄へと追いやられます。暴飲暴食の大罪の地獄の象徴となっている動物はケルベロス(冥府の門を守る頭が3つある番犬です)


八角形の区画を時計回りに見ていくフレスコ画、次回は南西部分。クーポラのフレスコ画を紹介するシリーズの最終回です。

参照 Gli aggreghi della Cupola di Santa Maria del Fiore, LIBRERIA EDITRICE FIORENTINA
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。