墓碑モチーフ

シニョーリア広場地区
09 /25 2016
ウッフィツィ美術館の古代彫刻について、今回は二つの古代ローマの墓碑をご紹介したいと思います。古代ローマの作品です。

「ディオニュソスに捧げられた祭壇」
tomba2
1世紀終わり、ギリシャ産の大理石を用いています。リッカルディ家の所有でしたが、18世紀初めにはウッフィツィギャラリーのコレクションに仲間入りしています。
碑文にはディオニュソスの名前があります。彼は「豊穣とブドウ酒と酩酊の神」なので、どちらかというと狂乱と陶酔という、死よりも生命のシンボルのような神のイメージがあります。「墓(死)」とは対照をなすモチーフですね。
花綱はフラヴィウス帝の時代の典型的なモチーフです。中央で戦っている雄鶏たちは、故人の武勲の暗示でしょう。
側面には生贄の道具の下にくちばしに蝶々を捕らえた鳥類が彫られていて、こちらは魂の象徴です。蝶も墓碑によく出てくるモチーフなのです。
17世紀に入り静物画が描かれるようになった時、蝶はやはり「魂」のシンボルとして扱われましたが、古代のモチーフにルーツがあるのでしょうか?
二人のプットーに操られる海の怪物は故人を祝福の島に送り届ける神の行列につながるモチーフです。

「Teopropoの墓碑」
tomba1
ローマのメディチ家の別荘から1783年にウッフィツィギャラリーのコレクションに移されました。2世紀の作品。
碑文はギリシャ語でTeopropoという人物に対して献辞され、両親の名前TeseoとEuridiceの名前も見られます。
正面には浮き彫りで抱き合う「エロス(アモル)とプシュケ」がいます。おそらくヘレニズム時代の彫刻グループからインスピレーションを得たもので、ウッフィツィ美術館の第2廊下にその作品のレプリカが設置されていますね。
側面にはurceus(壺)とpatera(古代に神酒を注ぐに用いられた杯)があり、これらは葬式の献酒に使われていた用具です。

こちらも参考に「古代彫刻のアモルとプシュケ

墓碑モチーフも主要なものを覚えていくと面白そうですよね。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。