新しいノヴェッラ教会付属美術館〜大きな回廊〜

S.マリアノヴェッラ地区
11 /05 2016
今まで憲兵の士官学校として使われてきたサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の一部が、教会付属美術館に編入されることになりました。教会+美術館の面積はこれまでの倍近くになります。
2016年12月から一般見学可能となる空間についてまとめていきます。

サンタ・マリア・ノヴェッラの「Il Chiostro Grande 大きな回廊」は、フィレンツェで最も大きな回廊です。
ルネッタ(半円形の部分)は16世紀のフィレンツェの著名芸術家たちによってフレスコ画で装飾されています。同修道院の「緑の回廊」に続いて「2番目の回廊」と呼ばれることもあります。

まず回廊の歴史を追っていきましょう。

1340〜60年代
「大きな回廊」は、修道院の増築工事が行われた際に建築されました。56のアーチが囲み、壁の60のルネッタのうち53のルネッタにフレスコ画が描かれています。
またヴォールト天井にはグロテスク模様、2つのルネッタの間にはドメニコ修道会の修道僧たちの似顔絵があります。
柱は灰色砂岩、アーチの部分には白黒で彩色されています。これは教会堂内のアーチ装飾と一緒ですが、ドメニコ修道僧服の色を表しています。
このような広大な面積の建物を建設することはドメニコ修道会の権勢を表し、建築には多くのフィレンツェの有力市民が資金を提供しました。彼らの家紋も柱の上部に出てきます。
回廊の周囲は2階建てで、僧たちの寄宿舎となっていました。その北側が法王がフィレンツェ滞在時に使う住居区画になっていました。

16世紀
トスカーナ大公妃エレオノーラ・ディ・トレドの命により、アルフォンソ・パリージによって改築され、その時にフレスコ画装飾が施されたのです。ベルナルド・ポッチェッティ、サンティ・ディ・ティート、ルドヴィーコ・チゴリ、アレッサンドロ・アッローリといった、その時代を代表する画家たちがフレスコ画を担当しました。

18世紀
近代化が図られます。舗装工事、円柱のベースを修復、フレスコ画が無かったルネッタを装飾。
中央部にあった井戸を埋め、修道院創始者の像を設置しましたが、これは現在は撤去されています。

1920年
憲兵の士官学校に適用。

1966年
フィレンツェ大洪水により、絵画が損傷。この区画では約1mの高さまで泥水に浸かりました。

次回はフレスコ画の詳細をまとめます!

参照 Guida d'Italia, Firenze e provincia ("Guida Rossa") Edizioni Touring Club Italiano, Milano 2007
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。