素描は芸術の父

シニョーリア広場地区
11 /21 2016
ウッフィツィ美術館の絵画作品の鑑賞は3階から始まりますが、階段を上っていくと2階に「Gabinetto dei Disegni e delle Stampe」という部屋があります。
世界でも重要な「素描コレクション」を展示するための部屋です。

その数は15万枚にものぼるということですから、このコレクションだけで単独の美術館に展示できそうです。

ダ・ヴィンチ作「女性の頭部」
レオナルド
コレクション作品の時代は14〜20世紀にわたります。
部屋はもともとメディチ家のテアトロがあった場所。
収集はロレンツォ豪華王の時代から始められたと考えられます。その後も後継者によって増えていきましたが、17世紀のレオポルド枢機卿の時代になって、系統だったコレクションへ成長します。このころに1万2千ページの目録が製作されたのです。

1687年 コレクションがウッフィツィに移されました。
18世紀  コレクションの一部が壁に展示されるようになりました。
19世紀  線描を飾る部屋が整備されます。
1849年 多くの作品がギャラリーに展示されます。
1867年 ヴァザーリの回廊にも展示(1909年まで)

他の町に比べてフィレンツェでは特に線描に重きを置きました。
チェンニーノ・チェンニーニが「芸術の書」にて素描の重要さを説き、ヴァザーリは「芸術の父」とまで呼んだからです。

コレクションには、レオナルド、ミケランジェロ、ラッファエッロのルネッサンス3巨匠をはじめとして、マニエリズムからフィレンツェ外の芸術家の作品もあります。
マンテーニャ、ベッリーニ、ティツィアーノ、デューラー、パルミジャニーノ、レンブラント、カラッチ、ベルニーニ…
垂涎モノのコレクションなんですね。

絵画作品の方が失われてしまって、素描だけが残っている作品もあります。
また素描だけで、絵画作品が完成されなかった作品もあります。
その場合は失われた作品の重要な資料となるのです。
未完の作品では、ヴェッキオ宮殿の500人広間に描かれる予定だったレオナルドの「アンギアーリの戦い」やミケランジェロの「カッシナの戦い」がいい例ですね。

素描コレクションは数が多すぎるため、期間限定で作品を変えながら展示していますので、貴方が訪れた時にどの作品があるか?運次第というわけです。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。