バルジェッロの大砲男

サンタクローチェ地区
11 /28 2016
バルジェッロ美術館の中庭には色々面白い彫刻が置かれています。美術館内部のミケランジェロやドナテッロの作品がこの美術館のメインなのでそちらで満足してしまうのですが、中庭の彫刻も面白いですよ。

例えばこちら。
「サン・パオロの大砲」コズィモ・チェンニーニ作 1638年
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大砲から男性の頭がにゅうっと出てきている不思議な作品です。

注文主はトスカーナ大公フェルディナンド2世(メディチ家)
ピサの要塞を飾るために作らせた作品です。

ピサ共和国はれっきとした都市国家でしたが、15世紀にフィレンツェ共和国の支配下に入り、その後はメディチ家支配のトスカーナ大公国の一部になりました。
メディチ家がピサの反乱に対して睨みを利かせるために要塞は、ピサの町中心部から見てアルノ川上流部にあります。このアルノ川はフィレンツェとピサをつないでいます。上流に位置するフィレンツェとピサ支配に重要な要塞の間をピサ人に遮断されないように、この位置に要塞を建設したのだとか。

この大砲では、サン・パオロの髭面が砲尾を、メディチ家紋が砲架を装飾しています。
フィレンツェの鋳造師が到達した最先端の技術を駆使し、メディチ家の軍力を賞賛する目的で作られた作品でした。
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本当に使用されていたのかな?と疑問に思うぐらい繊細な模様がいっぱい入っていますね。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。