ヴェネツィアーノ最後の作品

サンタクローチェ地区
12 /05 2016
サンタ・クローチェ教会付属美術館は同教会の中庭から入ることができます。チケット代は教会の見学料に含まれています。
50年前のフィレンツェ大洪水で被害を受けたヴァザーリの「最後の晩餐」が修復を終えて戻ってきた機会に、久しぶりに足を踏み入れてみたら…作品の展示場所や照明の当て方を変えたらしく、ちょっと近代的になっていました。

こちらも展示場所が変わった一枚
ドメニコ・ヴェネツィアーノ作「洗礼者ヨハネと聖フランチェスコ」1454年 フレスコ画
veneziano
サンタ・クローチェ教会のカヴァルカンティ礼拝堂のフレスコ画で唯一生き残った部分です。壁から剥がしてパネル装にしてあります。また知られている中で、ヴェネツィアーノの最後の作品でもあります。
作品は1566年にヴァザーリによって教会の改築が行われる中、破壊された聖歌隊席から剥がされました。
1954年の展示会の機会に再び壁から剥がされ、美術館に展示されるようになったのです。

花輪が彫られたアーチの下に二人の聖人が描かれていて、背景には耕された畑が見えます。
洗礼者ヨハネは彼の目印であるラクダの毛皮を着て、胸ははだけています。伸びた髭と整えられていない頭髪が、彼の隠者生活を示しています。
フランチェスコは修道会の僧服を身につけ、手の聖なる傷からは赤い光が差しています。
改悛の印に胸に手を当て空を見上げるヨハネと、両手を合わせて敬虔な様子で頭を下げるフランチェスコの動作が対照的ですね。

ヴェネツィア生まれの画家ヴェネツィアーノはローマで活動した後、フィレンツェにたどり着きます。ピエロ・デッラ・フランチェスカの明瞭な色彩、アンドレア・デル・カスターニョやポッライオーロ兄弟の力強い描線に近い作風を持っていました。

「洗礼者ヨハネと聖フランチェスコ」は今回の改装で小さい部屋に移されたものの、部屋の中央に置かれたことと、柔らかい色調のスポットライトが当てられるようになったことから、以前より注意を引く展示になっていました。

参照 Annarita Paolieri, Paolo Uccello, Domenico Veneziano, Andrea del Castagno, Scala, Firenze 1991. ISBN 88-8117-017-5
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。