トゥールーズの聖ルドヴィーコ

サンタクローチェ地区
12 /08 2016
サンタ・クローチェ教会付属美術館に、ドナテッロ作「トゥールーズの聖ルドヴィーコ」(1423〜1425年)が展示されています。鍍金されたブロンズ像で、高さは226cmの大きな作品です。
san lodovico
聖ルドヴィーコはナポリ王シャルル(イタリア語 カルロ)の第二子で、ナポリ王相続権を弟に譲り、フランチェスコ修道会に入った人物です。若くしてトゥールーズの司教に任ぜられましたが、23歳で死去。亡くなった年に聖人に列せられました。

この作品はドナテッロのブロンズデビュー作品でもあります。
オルサンミーレ教会のグエルフィ党のタベルナーコロを飾るために注文されました。教会のカルツァイオーリ通り側の中央のタベルナーコロという位置は、同教会にずらりと並ぶ彫刻の中でも最も目立つ場所です。
壁龕の製作には(ヴァザーリの証言によると)ミケロッツォが協力したと言われています。
1317年に列聖されたアンジュー家の聖人を選択したのは、王冠を拒否して宗教生活にその身を投じたストーリーがグエルフィ派(教皇派)のシンボルとしてふさわしかったためでしょう。

彫刻製作は1425年に終了しました。しかしドナテッロがまだ健在であった1459年に壁龕が商人裁判所に売却されたため、聖ルドヴィーコの像は取り払われ、代わりにヴェロッキオ作「聖トンマーゾの疑惑」が設置されます。

聖ルドヴィーコはサンタ・クローチェ教会に移され、長い間ファサードの中央壁龕を飾っていました。聖ルドヴィーコが生存時にこの教会を訪問したため、特にこの聖人に所縁があったからです。
19世紀に新ファサードが建設され、像は教会付属美術館に移され今に至ります。

1943年にオルサンミーレ教会の彫像たちは戦火を逃れるために倉庫に避難されます。その機会に、空になった壁龕に聖ルドヴィーコを設置し、オリジナルの場所に置かれた状態の写真撮影が行われました。

ドナテッロの聖人像は若い司教として表現されています。司教冠と司教杖を身につけ、片手を上げて祝福を与えるポーズになっています。
聖ルドヴィーコは、ドナテッロが先にオルサンミーレ教会の他のタベルナーコロにために彫った作品よりも大きいサイズで、壁龕空間をいっぱいに満たすようになっていました。

またロストワックス鋳造(ロウで原型を作り、周りを鋳砂で覆い固め、ロウを溶かして除去することによってできた空洞に金属を流し込むと鋳物ができる)を使って製作された、古代以来の最初の大きなサイズの作品です。
ドナテッロはこの作品の後、さらに技法を洗練させていきます。

参照 参照 Guida d'Italia, Firenze e provincia ("Guida Rossa"), Edizioni Touring Club Italiano, Milano 2007
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。