知恵の丘

シエナ県
12 /18 2016
シエナの大聖堂の床は素晴らしいモザイクの56場面で構成されています。
14世紀後半〜19世紀までかかって、40人以上の芸術家が手がけました。
中でもガイドが立ち止まってよく説明するパネルがこちら。
知恵の丘
1505年にピントゥリッキオがカルトーネを描き、これをもとにパオロ・マンヌッチが完成させました。
ピントゥリッキオはラファエッロの師匠であったペルジーノの助手として働いた画家。
題名は「L'Allegoria del colle della Sapienza 知恵の丘の寓意」です。

場面の右下には「幸運」の寓意像がいます。
片方の足を船の上に乗せ、もう片方を球体の上に乗せていて「幸運とは不安定なもの、頼れないもの」であることを示していますね。そちらに背を向けて「知恵の丘」を目指す10人の賢人の足元は石がごろごろ転がっていて歩きにくそうです。
それ以外にも、嫉妬のシンボル「蛇」、詐欺のシンボル「イタチ」、遅さと惰性のシンボル「亀」が障害として表現されています。

丘の頂上には二人の哲学者ソクラテスと、テーバイのクラテスがいます。
右のクラテスは財宝を海に投げ捨て、地上の富を放棄し健康な生活をすることを意味しています。
中央にいる女性が「賢明」の偶像ですが、彼女の頭に上には「huc properate viri: salebrosum scandite montem pulchra laboris erunt premia palma quies. 徳に近づくことはできるが、その道は容易なものではない」と書かれてます。

参照 Bruno Santi, Il pavimento del Duomo di Siena, Scala, Firenze 192, ristampa 2001. ISBN 978-888117083-8
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。