ダヴィデの知恵、ヘラクレスの力

シニョーリア広場地区
01 /13 2017
ミケランジェロが彫ったダヴィデ像はシニョーリア広場、ヴェッキオ宮殿の入り口横に1504年に設置されました。(現在、広場にある作品はレプリカ)

南西の方向を睨み据えるダヴィデ。
当時、南にはシエナ共和国、西にはピサ共和国がありました。
まるでフィレンツェ共和国にとって脅威となる敵に睨みを利かせているようです。
ヴェッキオ宮殿はフィレンツェの共和国の政治の中心、政庁舎なのです。
ミケランジェロ以前に、ドナテッロやヴェロッキオが彫ったダヴィデも共和国の守護神というシンボル的な意味があり、ヴェッキオ宮殿に展示されていました(現在はバルジェッロ美術館)

ミケランジェロのダヴィデ像は頭部が大きめに作られていて「知恵」で共和国を守ることを意味しています。
実はダヴィデの横には、やはりミケランジェロが彫ったギリシャ神話の英雄ヘラクレス像が置かれる予定でした。
ヘラクレスは肉体的な「力」の象徴、二人の守護神はそれぞれ「ダヴィデ=知恵」「ヘラクレス=力」を表現しているのです。
しかしこちらは結局ミケランジェロが手がけることはなく、1533年にバンディネッリ作「ヘラクレスとカクス」が設置されます。
シニョーリア広場
そういえば古代にはヘラクレス像の頭を、その体との対比において少し小さめに製作することがありました。肉体を強調するためです。
もしかしてミケランジェロは小頭症のような古代彫刻ヘラクレスのことを念頭に置いて、ダヴィデの頭を大きく彫ったのかもしれませんね。

シニョーリア広場のヘラクレス像もミケランジェロが彫っていたならば、どのような風景になっていたことでしょう…
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。