生命の木

サンマルコ地区
01 /16 2017
フィレンツェのアカデミア美術館はミケランジェロの彫刻で有名ですが、絵画作品も数多く展示されています。ゴシックからマニエリズムまで、アカデミア美術館の絵画作品を紹介していきます。

「生命の木」は1305〜1310年にパチーノ・ディ・ブオナグイーダが描いた板絵です。
生命の木
モンティチェッリのクラリス修道院のために描かれた作品で、のちに同修道会はフィレンツェに移ります。1808年には修道院が廃止され、作品は1849年からアカデミア美術館の所有となります。
当時アカデミアではメディチ家の所有外の作品を集めていたのです。
「生命の木」はフランチェスコ修道会の精神性を表す、最も古く最も重要な「学術大全」です。

画家はジョット派の一人でフィレンツェ生まれの画家、細密画家であった パチーノ・ディ・ブオナグイーダです。生き生きとした物語性を含んだ描写はボローニャ派かリミニ派の作風の影響が見られます。

板絵のテーマはフランチェスコ修道会の伝統的なもので、バーニョレージョ出身のボナヴェンテゥーラが著した「Lignum Vitae(生命の木)の瞑想」の小冊子からインスピレーションを受けています。
「生命の木」の古いテーマがキリストの十字架の物語と融合しているのです。ボナヴェンテゥーラの「12の枝と48の章」に分かれている「生命の木の瞑想」が、絵画の中で忠実に再現されています。

中心のキリストの体は、サンタ・マリア・ノヴェッラにあるジョットの「磔刑」より影響を受け自然な肉体の把握の様式を採っています。ジョットの作品よりも数年遅れて描かれたものです。
枝が左右(赤と緑の枝が交互)に6本ずつ伸び、それぞれの枝に4つの「果実」がついていて、その中に細密画法で「イエスの物語」が描かれています。物語は左から右、下から上に読んでいきます。
木の下には「創世記」が、また頂上には「天国」が表現されています。

参照 Galleria dell'Accademia, Giunti, Firenze 1999. ISBN 8809048806
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。