アディマーリの長持ち

サンマルコ地区
01 /28 2017
フィレンツェのアカデミア美術館はミケランジェロの彫刻で有名ですが、絵画作品も数多く展示されています。ゴシックからマニエリズムまで、アカデミア美術館の絵画作品を紹介しています。

「アディマーリの長持ち」 ロ・スケッジャ 1450年ごろ テンペラ画板絵
長持ち1
伝統的に「長持ち(衣服・調度品などを入れる蓋つきの長方形の大きな箱)」と言われてきましたが、サイズは長持ちにするには大きすぎるので、家具の背もたれ部分だと考えられています。
また背景は現在のカルツァイオーリ通りから見た大聖堂広場と考えられ、当時はアディマーリ通りと呼ばれていたことから、この題名となっています。この通りにはアディマーリ家の所有する建築物が何軒も建っていたのです。
場面は1420年のアディマーリ家とリカゾーリ家の間に行われた婚礼の様子かもしれません。

作者はマザッチョの兄弟のロ・スケッジャだと推定されます。同芸術家が他の場所に残した作品とスタイルが似ているためです。

物語の舞台は大聖堂広場、長いテントの下を豪華な服を着たカップルたちが歩いていく婚礼の様子です。縦に引き伸ばした人物のシルエットは国際ゴシック様式の典型です。
長持ち3
しかし遠近感のある背景はもっとどっしりしており、ルネッサンスのスタイルになっています。左にサン・ジョヴァンニ洗礼堂、中央奥に市壁の(サン・ガッロ?)門、右にはもう存在しないサンタ・マリア・デル・フィオーレ教会のロッジャ。

画面の左端に描かれている召使いたちは他の人物よりも小さい姿ですが、子供というわけではなく、重要でない人物は小さく描くという中世の伝統に則ったものです。

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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。