月桂冠 古代ローマ将軍から大学卒業生まで

イタリア語の愉しみ
02 /05 2017
勝利の冠(ラテン語でcorona triumphalis)は、月桂冠(ラテン語 laurea insignis)とも呼ばれます。
絵の中だとローマ帝国の将軍や文学界で活躍した人物が頭の上に乗せています。
またイタリアでは大学を卒業した祝いに月桂冠を頭に飾ります。

ローマ共和制と帝政時に栄誉の印として、凱旋した将軍に与えられました。
将軍が皇帝から拍手喝采され迎え入れられる時に月桂冠を被っていたのです。その後、月桂冠を形取った金の冠が与えられました。
そして金の冠を頭に勝利の凱旋を練り歩いたのです。行進の間は将軍の頭の上に冠を支える奴隷がいて、メメントモリ(死ななければいけないことを覚えていなさい)を詠唱するのが慣習でした。栄誉も一時のことであるということを、将軍に忠告するためでした。
また元老院から発令された場合は、古代ローマの属州(プロウィンキア)から3つ目の冠(金)が贈られることになってました(そういえば今でもイタリアでは県のことをプロヴィンチャと呼ぶのですが、プロウィンキアから来ているのでしょうか)

もともと月桂冠の習慣はヘレニズム時代、アレクサンダー大王の時代から続くものです。
古代ギリシャのオリンピックでは月桂樹ではなくオリーブの冠を使っていましたが、他のスポーツの祭典では勝利者に月桂冠を与えていました。ローマ帝政期に入ると皇帝用になったそうです。

中世の時代には詩の中で「栄誉のシンボル」として「月桂冠」が扱われるようになり、ここから絵画や彫刻では偉大な詩人の頭に月桂冠を表現するようになっていきました。

上に書いたように月桂冠はラテン語では「laurus」か「laurĕa」と呼びますが、これは月桂樹を表す言葉でもあり、そのまま「栄光」「名誉」という意味まで広がっています。
ここから由来してイタリアでは大学卒業生を「laurea ラウレア」とか「laureato ラウレアート」と呼ぶのです。

参照 corona trionfale
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。