服にワインを飲ませたダンテ

ちょっとかじる歴史の話
02 /07 2017
詩人ダンテの「神曲」は「時獄篇」が1314年に、1315年に「煉獄編」が公表されました。最後の「天国編」はダンテが1321年に亡くなった後、同年に発表されています。

「神曲」により名声を得たダンテが街中を歩くと、「あれが地獄に行って戻ってきた男だよ」と人々が噂をしたとか…
生前に「天国編」が刊行されていなかったのですから、「地獄から戻った」点が強調されていたかもしれませんね。
ダンテ
そんなダンテについて、14世紀のルッカ出身の作家Giovanni Sercambiが次のようなエピソードを書いています。

ダンテがナポリ王ロベルト・ダンジョーの元を訪れた時のことです。
(ロベルトはトスカーナ連合の隊長に任命され、白党と黒党に分裂していたグエルフィ党をまとめるために1305年春にフィレンツェに滞在したことがありました)

ロベルトはダンテをナポリで昼餐に招待します。
エチケットにとてもうるさかった王は詩人がぞんざいな服装をしているのを見て、彼をテーブルの末席に座らせたのです。ダンテは何も言わずに食事を終えると町を去ろうとしました。
ロベルト王は詩人への扱いが悪かったことを反省して、再び食事に招くために使者を送ります。
ダンテは今度は豪華な服を着て王の前に姿を現しました。そこで王は栄誉のある席に彼を座らせます。
ところが飲み物が手元に来ると、ダンテは飲み物から食事から、全てを服の上にぶちまけたのです。
王が驚いてその理由を聞くと
「王様、今日の栄誉ある待遇は私の服に対して頂いたものでしょう。ですから服にたらふくご馳走をやっているところです」
と答えたそうです。

参照 Dante e il girone dei golosi
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。