修復された東方三博士の礼拝〜1〜 レオナルドの魅惑のコスモ

シニョーリア広場地区
04 /20 2017
約5年半の修復を経て、フィレンツェのウッフィ美術館にレオナルド・ダ・ヴィンチ作「東方三博士の礼拝」が戻ってきました。
この機会にウッフィ美術館の2階では2017年3月28日〜9月24日の期間に同作品が特別展示されています。
特別展の題名は「Il cosmo magico di Leonardo da Vinci: l’Adorazione dei Magi restaurata レオナルド・ダ・ヴィンチの魅惑のコスモ、修復された東方三博士の礼拝」です。

特別展の一端として、レオナルドの他の2作品「受胎告知」「イエスの洗礼」が展示されている部屋も広くなりました。
今まで狭すぎて見難かった空間もこんなにひろびろ〜〜
「受胎告知」
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師匠ヴェロッキオとの共作「イエスの洗礼」
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そして修復が終わった「東方三博士の礼拝」
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この作品はレオナルドが1481〜82年の頃にサン・ドナート・ア・スコペート修道院のために手がけました。
テンペラ画法で描かれた板絵で、縦横ともに2m以上ある大きな作品です。

修道院は2年で完成させるという契約で作品を注文しました。
レオナルドは構図を深く研究し、様々な下絵デッサンを残し、これらはルーヴルやウッフィツィに保管されています。

しかし1482年の夏に彼は作品を未完のまま残し、ミラノに旅立ってしまうのです(作品は15年後にフィリッピーノ・リッピが注文を受け直して完成させます)

レオナルドの作品の方はベンチ家(レオナルドが肖像画を描いたジネヴラ・デ・ベンチの父親アメリゴ)に残されました。17世紀にはメディチ家の所有となっていた記録があり、ウッフィツィに展示後、カステッロの別荘に移されました。1794年にギャラリーに帰ってきて、今に至ります。

同テーマの伝統的構図では聖母子は画面の左に置かれていたのですが、ここでは主人公たちは画面の中央に配置されています。これは1475年のボッティチェッリ作「東方三博士の礼拝」(こちらもウッフィツィ所蔵)の構図から影響を受けたと考えられます。

聖母に抱かれたイエスは祝福を与えるポーズで、その背後には2本の木があります。月桂樹(死に対する勝利のシンボル)と棕櫚(イエスの受難のシンボル)です。

貴石加工所では、まず最初に丹念な作品の調査を行い、長い修復作業を行いました。こうして作品はオリジナルの色調を取り戻し、作品の詳細部分が鑑賞できるようになったのです。

次回に続きます!
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。