象徴としてのライオンと鷲

芸術を読み解く
06 /09 2017
先日のブログで「イルカは古代には魚の王と見られていた」というテーマで書きました。

→「イルカは尊き魚のモチーフ」

イルカが海の動物の中で王とされるなら、陸と空の王となる動物はなんでしょう?
陸の動物の王は「ライオン」鳥の王は「鷲」です。
紋章にもこの3つの動物がよく使われています。

また鷲の翼と上半身、ライオンの下半身をもつ伝説上の生物グリフォンは、王家の象徴や、「神性」と「人性」を持つキリストの象徴として使われました。陸と空の王の特徴を併せ持っているのですから最強です。

→「グリフォンとヒッポグリフの見分け方

象徴としてのライオン
様々な属性が与えられてきましたが、キリストの復活の象徴、有翼ならば聖マルコの象徴(4人の福音書記者のシンボル、テトラモルフォの1つ)
男性的な動物文様で、百獣の王なので勇士や権力者にふさわしいのです。
4大大陸ではアフリカの象徴、美徳では剛毅の象徴。

象徴としての鷲
ユピテルが鷲に変身する物語がギリシア神話にあることから鳥の王。
力と勝利の象徴として、ローマ軍隊の旗にも使われました。中世にはキリストの昇天の象徴、また聖ヨハネのシンボル(4人の福音書記者のシンボル、テトラモルフォの1つ)となります。
寓意表現では悪徳の傲慢の象徴。
また五感の一つ視覚の擬人像の持ち物でした(鷲の鋭く睨む目からきています)
ここから神聖ローマ帝国からオーストリア・ハンガリー帝国に引き継がれた双頭の鷲は「あらゆる方向を油断なく見張る」ことを示します。

また鷹も紋章に使われますが、違いとしては次の点があります。
鷲は大型、鷹は中型
鷲では雄も雌も同色で、鷲だと違う
鷲は胸の部分が白い

ピエロ・デ・メディチが使っているインプレーザは鷲ではなく「爪でダイヤモンドの指輪を掴んだ鷹」ですね。

参照 「ヨーロッパの装飾と文様」 海野弘 パイインターナショナル
   「西洋美術解読事典」ジェイムス・ホール 河出書房
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。