テトラモルフォ

芸術を読み解く
06 /10 2017
キリスト教の『新約聖書』に収められている四つの正典『福音書』の記者4人を、福音書記者と呼びます。
そして4人にはそれぞれシンボルがあり、次のような解釈が与えられています。

聖ヨハネ 人(天使)…人間としてのキリストの誕生
聖ルカ  雄牛 …十字架における刑死における犠牲の動物
聖マルコ 獅子 …復活におけるキリスト
聖マタイ 鷲  …昇天におけるキリスト

この4つのシンボルにテトラモルフォという正式な呼び方があることを知りました。
tetra(ギリシャ語語源の「4」)+morfo(ギリシャ語語源の「形態」)

4つのシンボルは、旧約聖書にも新約聖書にも記述がある天的存在が元になっています。

『旧約聖書・エゼキエル書』 預言者エゼキエルが不可解な四体(四人)の天的存在に出会った。
『新約聖書・ヨハネの黙示録』ヨハネの幻視の中に現れる神の玉座のまわりの四種類の天使的存在。

エゼキエルの幻視に関しては、パラティーナ美術館のラファエッロの作品がすぐに思い浮かびますね。
エゼキエル
小さいサイズの作品でありながら、壮大なイメージです。

美術の世界では、テトラモルフォはロマネスク様式の彫刻に頻繁に使われるようになり、新約聖書を唱える「説教壇」のモチーフに見られます。またルネッサンス時代には丸天井のペンデンティヴの4つの空間にテトラモルフォをフレスコ画で描くことが通常となります。

とにかく彫刻にも絵画にもこの4つのシンボルは頻繁に出てきますので、キリスト教美術を鑑賞する時に覚えておくといいですよ。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。