ナポリで絵画を見るとしたらカポディモンテ美術館。
ナポリで一番豊富な量の絵画作品を所有しています。
カポディモンテ美術館の絵画作品を紹介するシリーズです。

「聖母子と二人の天使」ボッティチェッリ作 1468〜69年

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ローマのファルネーゼ宮殿に飾られていた作品です。後世の加筆を20世紀の修復でもとの姿に戻し、作品が再評価されました。
ボッティチェッリの若い頃の作品なので、師匠のリッピやヴェロッキオ(ボッティチェッリはフィリッポ・リッピに師事した後、ヴェロッキオの工房に移った)の作風の影響が見られます。
そういえば昨年にフィレンツェで行われたヴェッロキオ展で、この作品によく似た構図のものが展示されていました。
この聖母の顔はボッティチェッリがこの頃に描いた「剛毅」(ウッフィツィ美術館)の表情にもよく似ています。


「変容」ジョヴァンニ・ベッリーニ作 1478〜79年

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ガリラヤのタボル山にキリストが使徒(ペテロ、ヤコブ、ヨハネ)を連れて登り、使徒の前で姿を変える場面です。
顔は太陽のように輝き、衣は光のように白くなり、モーゼとエリヤが現れてイエスと言葉を交わすエピソード。

しかしこの作品の背景に見える二つの建物は、物語とは関係ないテオドリック王(東ゴート王)の霊廟とラヴェンナのサンタッポリナーレ・イン・クラッセ教会です。

この作品にはピエロ・デッラ・フランチェスカの透視図法や幾何学的造形、そしてこの時代にヴェネツィアでひろまりつつあった自然主義の両方が見られ、重要な作品になっています。
またもとの設置場所はヴィチェンツァの大聖堂の礼拝堂と考えられています。


「ジュリオ・クローヴィオの肖像画」エル・グレコ作 1571年ごろ

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アレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿から注文された作品です。
エル・グレコがローマに滞在していた時に描かれた作品で、18世紀にカルロ・ディ・ボルボーネが受け継ぎナポリに移されました。
クロアツィア出身のクローヴィオはルネッサンス時代のイタリアで最も重要な細密画家であり、ヴァザーリによって「細密画のミケランジェロ」と評されました。
背景は嵐のような空になっています。グレコにとって初期の肖像画の1枚ですが、すでに質の高さが現れています。

次回に続きます!