ひざまづく窓

芸術を読み解く
02 /01 2011
「ひざまづく窓」は1500年代から特にトスカーナ地方に見られる窓枠のデザインです。

モニュメンタルな装飾で、地上階の窓だけに使われます。窓台が張り出した二つの「ひざ」によって支えられている形。マニエリズムとバロック時代のトスカーナ地方の窓デザインの典型です。写真のように格子によって閉じられているのが普通です。上部はティンパムが載っています。

「ひざまづく窓」デザインの最初の例は、フィレンツェのメディチ・リッカルディ宮殿のものと言われます。ミケランジェロのデザインです。
finestra inginocchiato2
もともとこのアーチの下は壁がない開口部で、メディチ家のロッジャ(開廊)に入れるようになっていました。内部は繊細なモチーフなのに、外側は男性的な力強いごつごつしたイメージ。この宮殿の内部と外部の雰囲気の違いはとても印象的です。ガイド学校で教えてくれた、大学の建築科の先生は「肘をつきだして、内部に入ってこないように、外に押し出すようなモチーフ」と言ってました。「これがフィレンツェ人の気質」とも・・・

この窓枠デザインはミケランジェロのあと、16世紀の芸術家アンマンナーティやブオンタレンティによって受け継がれていきます。

こちらはブオンタレンティのヴァージョン。グロテスクなマスクの意匠がプラスされています。
finestra inginocchiato1

歩道の上に張り出しているので、建物に近づけさせないようなイメージがあります。歩道が狭い場合は少し歩きづらく感じることも・・・
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。