イタリア式庭園

ちょっとかじる歴史の話
07 /04 2010
イタリア式庭園と呼ばれるスタイルの庭は、ルネッサンス時代に特にフィレンツェとローマの近郊で発達しました。丘陵地帯の高度差がある土地を利用して、テラス式とも呼ばれます。

このスタイルの元祖とも言える庭はフィレンツェ郊外のメディチ家別荘カステッロの庭です。道を軸線のように使い左右対称の構造で、土地の高度差を利用してパノラマが効果的に見え、階段状の舞台セットのような造りです。
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こちらはフランドルの画家が16世紀に表したカステッロの様子です。
別荘付きの庭ですから、建物との深い関係にあります。テラス下段に建築物を配して軸線を庭の中央に設定、とても整然とした様子です。

フィレンツェの人文学者であり芸術家であったレオン・バッティスタ・アルベルティがこのイタリア式庭園に多くの影響を与えました。彼はレオナルド・ダ・ヴィンチと並ぶ天才とされています。アルベルティの著作『家族論』では「健康に悪い都市の生活から逃れ、郊外の自然に恵まれた別荘の生活」を勧めています。また『建築論』では「田園風景を眺めることが出来る丘の斜面が最適」としています。それでは彼の理論に添ったイタリア式庭園の特徴を挙げてみましょう。

(1)樹木は規則正しく伐採され、建築の一部のような様相です。下の写真では生け垣が通路の壁として使われています。
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(2)丘陵地帯に配されること。庭園を含む別荘は掠奪を防ぐため、壁で囲まれていますが、丘の中腹に配せば、壁の向こうに広がるパノラマを楽しむことができます。また庭園の敷地が長方形などのテラス数段が重なるような構成となります。
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(3)多くの人工物を配して(彫刻、迷路、噴水、鍾乳石を使った人口洞窟など)訪れる人々を楽しませる工夫が見られます。
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(4)幾何学的形態を愛したルネッサンス美術の反映が、植物の配置に見られます。
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有名な庭園として、フィレンツェのボーボリ庭園、ティボリのエステ家の庭園などを挙げることができます。

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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。