opus vittatum mixtum

芸術を読み解く
10 /17 2012
ピサの大聖堂に入ると、壁が白と黒っぽい石でストライプ模様になっているのがわかります。
これはイスラム教の影響だという説を、長い間、イタリア人のガイドから聞いてきました。
pisa
イスラム教の影響を受けた南スペインにも同様の建築モチーフが見られる、トスカーナ地方ではピサから他の地域にも広がった…と。シエナの大聖堂も外壁、内壁とも見事なストライプ模様になっているんです。

ところがピサ県の文化財保護官から「このモチーフは古代ローマ帝国時代の建築法から影響を受けている」との説を聞きました。
これが「opus vittatum mixtum」と呼ばれるものです。「opus mixtum」と簡単に呼ぶこともあるようなのですが、考古学の先生は真中に「vittatum」も入れて呼んでいました。
ops
「モルタルと石の寄せ集めの層」
「レンガの層」
を交互に重ねる壁のことです。古代ローマでは共和制の終わりから帝政の初めの頃に使われていました。
ops2

しかしこれは建物の壁内部の構造で、壁の表面の仕上げとは違うのではないかと思うのですが…
ピサのカンポサント(13世紀着工)の壁もこの構造になっているんです。
したがって建築法としては古代ローマから受け継がれて中世の時代にも使われているのですが、これが壁の表面の仕上げモチーフにも影響を与えたか?
上の文化保護官長は「あのモチーフはローマ帝国時代から存在していた」と、断言していました。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。