軍人コジモと学者フランチェスコ

シニョーリア広場地区
10 /21 2012
フィレンツェのヴェッキオ宮殿にある「フランチェスコ1世の書斎」を紹介するシリーズ第2弾です。
percorsi segreti(シークレットルーツ)というガイド付きコースを予約すると見ることのできる空間です。

今回はこの空間に残されているメディチ家の人々の肖像画を紹介します。
この空間を作らせたフランチェスコ1世の両親の肖像画が、部屋の両側の上に入っています。
描いたのはアレッサンドロ・アッローリ。やはりメディチ家の肖像画を多く描いたブロンヅィーノの弟子です。

母親のエレオノーラ・ディ・トレド、名前からも判るようにスペイン人です。
フランチェスコの書斎2
ルネッタの中央の円の中に肖像画入っています。その円周には星座が描き込まれているのですがこれが「春」「夏」の星座。春夏は命が生まれて育まれる季節であることから「生み出す能力のある女性」の周りに、これらの星座が入っているのです。

父親のコジモ1世
cosimo1
円周には今度は「秋」「冬」の星座が入っています。

面白いのは二人の肖像画が入っている壁の位置です。コジモ1世の肖像画が入っている壁の向こうは「500人広間」会議が行われるいわゆる『公の場所』です。
そしてエレオノーラの肖像画が入っている壁の隣の部屋は、おそらく寝所でした。いずれにしてもプライベートの空間だったのです。そちらに女性の肖像画を描いたところにも意味があります。

そしてコジモ1世は堂々とした軍人として描かれています。そう言えば、彼の肖像画は甲冑を着ていることが多いんですね(彼の父親もジョヴァンニも傭兵隊長でした)
ところがコジモ1世の長男のフランチェスコは学者肌で、研究に熱中し、特に錬金術に凝っていたという話を前回も書きました。
そのフランチェスコの肖像は錬金術の工房の場面に現れます。
francesco1
右下でフライパンのようなものを火にくべているのがフランチェスコです。父親の肖像となんと違っていることでしょうか。

「フランチェスコ1世の書斎」には、この他にも「真珠を酢に溶かして飲むクレオパトラ」の場面の端に、フランチェスコの肖像があります。それはもう、影の中から半身が浮かび上がって、洋服さえも暗がりで判明できないような姿なんです。ここに父親とは全く反対のフランチェスコの性格を見ることができると、シークレットルーツ専属のガイドさんも話していました。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。