巡礼者のラビリンス

ルッカ県
10 /31 2012
トスカーナ州のルッカは、古代ローマ帝国時代から重要な街道の合流地点でした。とくにフランチジェーナ街道が通るようになってから、巡礼者の数も増えます。城壁の中に100に及ぶロマネスク様式の教会が、200本もの塔型住居が並ぶ豊かな町でした。

そのルッカの大聖堂の正面にポルティコ(柱廊)があります。この下にはその昔、巡礼者用の両替商が並んでいたそうです。そこには「旅人をだましてレートで不正しないように」と刻まれた石碑も設置されています。神の保護のもとでの両替は巡礼者を安心させたことでしょう。

その右手、鐘楼の袂の部分にこのような石が嵌め込まれています。
ラビリンス
横にギリシャ神話の「テセウスとアリアンナ」の物語の記述がある『ラビリンス 迷路』です。
これは「巡礼者の旅は誘惑や危険に満ちた難しいものである」ということを表しているんだそうです。

似たようなラビリンスで有名なのは、フランスのシャルトル大聖堂の床にある作品です。
ラビリンス2
このラビリンスは12世紀の作品で、迷路を辿るとなんと全長261.5mになります。
こちらのラビリンスは「地上の人間が神の国にたどり着く道のり」で、中心部は「神の国」を表しているとか、「祈りによって神に近づく」ことを表すと言われます。あるいは反対に中心部から外部へ辿っていくことによって教会内陣にたどり着きます。内陣は東(神の光、聖地)を向いているので、これで仮想の巡礼の旅が出来るのです。
巡礼の旅は非情に危険なものでしたので、このラビリンスを辿ることによって、その代わりにしたのですね。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。