パドヴァ市民の半分を「絞め殺した」スクロヴェーニ

パドヴァ
11 /08 2012
「strozzare ストロッツァーレ」という動詞には「絞め殺す」という意味と「金を高利で貸す」という意味があります。フィレンツェには銀行家として財を成した「ストロッツィ家」までありました。

ジョットに自分の家の礼拝堂を装飾させたパドヴァのスクロヴェーニ家も銀行家でした。レジナルド・デリ・スクロヴェーニは、パドヴァの市民の半分に、またヴェネツィア共和国にまで金を貸していたそうです。
そんなスクロヴェーニ家も、もとは豚の飼育販売をしている家系でした。「スクロヴェーニ」とは昔の言葉で豚を表す「scrofa スクローファ」から来ているのです。
詩人ダンテの『神曲』で地獄編に登場する金貸しも、豚の紋章がはいった金袋を首から下げています。スクロヴェーニ家はそれほどまでに有名だったのでしょう。
こんなに有名な金貸しが、天国にいけないのではないかと自分のことを心配するのは当然です。
そこでレジナルドの息子エンリコは自分の邸宅の横に礼拝堂を建てさせたのです。この絵に現れるエンリコは紫色の服を着ているのですが、これは「贖罪」を意味します。
scrovegni1
今は礼拝堂だけが残っていますが、以前はすぐ左にスクロヴェーニ家の邸宅がありました。現在、見学するために入る邸宅から礼拝堂を回廊で繋いでいました。

建物内部は長軸の部分に、ジョットによるフレスコ画が三層になっています。
礼拝堂には入り口が2つあるのですが、スクロヴェーニ家の邸宅から入ると物語の始まりがすぐ目の前に来るようになっていました。
scrobegni2
建物内部は以前は2つの部分に分かれていて、奥の部分はスクロヴェーニ家の人たちの空間、入り口付近は一般信者のために空間となっていました。

スクロヴェーニ
フレスコ画を囲む「枠」の部分に小さなな絵が挿入されていて、中にスクロヴェーニを表す「豚」もありますので探してみましょう。

礼拝堂に入る前にクリーニング室(身体の埃を落すため)でビデオを見せられるのですが、そのビデオがこちらです。

※ビデオ室では英語、ドイツ語の字幕つき
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。