ピサ人より、死人のほうがマシ!

ウソのようなホントの話
11 /09 2012
イタリアには「campanilismo カンパニリズモ」という言葉があります。
「郷土愛」「お国自慢」「地方根性」と訳されますが、これがとても強いのがイタリアです。
中世の時代から都市国家に分かれていたイタリア半島では隣国は油断ならない敵。都市国家間では領地(コンタード)を争って、戦争が繰り返し起きていました。これが町ごとの特徴ある歴史になり、郷土愛を育てていったのです。
フィレンツェ共和国はとくに近郊のピサ共和国やシエナ共和国と争っていました。
フィレンツェ対ピサの「カシーナの戦い」(ミケランジェロがヴェッキオ宮殿に描く予定でした)
cascina

そんな中で生まれてたのがこんな「ことわざ」

>Meglio un morto in casa che un pisano all'uscio
(出口のピサ人より、家内の死人のほうがマシである)

もともとはルッカで中世に生まれたことわざでした。ルッカ共和国のほうがフィレンツェよりもピサに近いので、対ピサの戦争の歴史も長いのです。ピサ人は隙あればルッカを攻撃し、強奪をくり返しました。
これがフィレンツェでも使われるようになり、ことわざとして定着します。
ところで私の夫(フィレンツェ人)は、このことわざをもちろん知っていましたが、ピサ人がこれにどのように返していたかは知りませんでした。
私はピサ県のガイド学校にて教わりました。

>Che Dio ti accontenti!
(神様が満足させてくれるといいね!→家内に死人が出るといいね!)

辛辣ですよね!まあ、こんな感じでいがみあってきた近隣の町同士、現在はさすがに戦争するわけにはいきませんが、サッカーのダービー・マッチでファンの間で火がつきやすいのはこんな歴史から来ているのです。

ところで上のことわざに近いものを発見しました。

>Meglio un morto in casa che un marchigiano fuori dalla porta
(ドアの外のマルケ人よりも家の中の死人のほうがマシ)

マルケ人は収税史のことを表すとのことですが、マルケは教皇の土地が多くありました。
そのため収税史はマルケ人に多く、このことわざが出来たのでしょうか?

イタリア各地にこのような近隣の町を卑下することわざがあるのは、歴史に由来しているんですね。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。