ダンテの煉獄山

フィレンツェ市
12 /07 2012
フィレンツェの大聖堂(ドゥーモ)の中にあるドメニコ・ディ・ミケリーノの作品「ダンテとフィレンツェ
ダンテ
この作品を見たお客様に質問されました。
「どうして煉獄はいつもこんな形をしているのでしょう?」
ミケリーノの作品ではまるでウェディングケーキのような形をした煉獄山が描かれています。

調べてみると煉獄がいつもこの形をしているのではなく、ダンテの「神曲」に出てくる煉獄をイメージ化すると、この煉獄山になるのです。
煉獄はまったく救われる望みのない者が堕ちる地獄とは違って、小さい罪を犯した者や罪の贖いが終われば天国に行ける者たちが浄化を行う場所です。

ダンテの神曲によれば、煉獄は台形の山で幾つかの段階に分かれ、亡者は罪を浄めつつ上へ登っていって、天国に到達します。
下から登る順番がこちらです。

第一の台地「教会から破門された者」は、煉獄山の最外部か登らなければなりません。
第二の台地「生前の悔悟の時期が遅い者」「臨終に際してようやく悔悟に達した者」はここから。
ペテロの門 - 煉獄山の入口は金と銀の鍵をもって扉を押し開きます。
dante2
ここからは7つの大罪(ペッカート)を浄化していきます。
第一冠「高慢」重い石を背負って、腰を折り曲げています。
第二冠「嫉妬」まぶたを縫い止められ、他人を羨むことがないように。盲人になります。
第三冠「憤怒」煙の中で祈
る人々、煙は憤怒の炎から生まれたもの。
第四冠「怠惰」 ひたすら走り回って、山を周回します。
第五冠「貪欲」 五体を地に伏して欲望を消滅させます。
第六冠「暴食」決して口に入らぬ果実を前に食欲を節制します。
第七冠「愛欲」 欲情を起こすことなく抱擁を交わして罪を悔い改めます。
山頂 かつて人間が黄金時代に住んでいた場所。黄金時代については先日、この日記で紹介しました。創世紀のあとにあったとされる時代です。

黄金時代は理想郷アルカディアのように表される、労働も死も憎しみもない時代です。イメージとしては「エデンの園」なので、ミケリーノの作品でもアダムとイブで表現されているのですね。

dante
ダンテの神曲では「天国」も「地獄」もこのような段階で表現されています。
形式立った観念がダンテは好きだったのですね。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。