ウッフィツィの四大元素の部屋

フィレンツェ市
01 /27 2013
ウッフィツィ美術館の中に「トリブーナ」という部屋があります。
「トリブーナ」という言葉には様々な意味があります(競技場の観客席、法廷の傍聴席、討論会、聖堂の後塵など)
「あるカテゴリーの人間に限られた建築空間」ということなんですね。もとはトリブーニ(古代ローマの行政官)が話す論壇からきています。

ウッフィツィ美術館のトリブーナは薄暗い中に豪華な装飾の浮き上がる、夢のような空間です。
メディチ家当主フランチェスコ1世が1538年にブオンタレンティに建築させました。それまでヴェッキオ宮殿の「書斎 studiolo」に収めていたコレクションを移設するためです。「書斎」自体が閉ざされた空間なので、トリブーナがその代わりの場所だとすると、薄暗い部屋のイメージがよく似ていることに気づきます。
それでも大公とその許可を受けた数人が入ることができた「書斎」に比べると、トリブーナはもっと多くの人間にフランチェスコのコレクションを公開するという意味合いがありました。

そして部屋は四大元素(しだいげんそ・よんだいげんそ)を表しています。

天井の中央にある風向計が「空気」

丸い貝殻が鏤められた屋根が「水」

赤い壁が「火」

大理石を嵌め込んだ床が「土」

世界は空気・火・土・水の4つの元素からなるとされるという考えは、古代ギリシア、イスラム世界から、18から19世紀の近代までヨーロッパで支持されていました。この考えを体現している部屋がトリブーナなのです。
2012年に修復が終わったあとは部屋の中に入ることはできず、入り口から覗き込むことができるだけです。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。