有機農場の古代豚

イタリアのトリビア
10 /06 2016
ミラノ近郊の有機農業アグリツーリズモCascina Caremmaを見学した時に、オーナーから聞いた話です。

このアグリツーリズモには宿泊施設・レストラン・Spaがあり、特にミラネーゼがお客様がいらっしゃる場所です。
このレストランの料理は野菜から肉まで全て有機農産物。
周りの畑で耕されている0km食品ばかり。無農薬と地産地消がモットーです。

広〜い畑で悠々と暮らす豚たち。
suino
黒いのはモーラ・ガラスケーゼという古代種の豚で、絶滅しかかっていた種を救うためにここで飼育されているんだそうです。シエナの豚チンタ・セネーゼの境遇と似ていますね。

この農場では豚1頭につき400㎡の面積が確保されています。
一方、動物をぎゅうぎゅう詰めにしている集中飼育ではどのぐらいの面積か知っていますか?

なんと1頭につき2㎡だけ。身動きできない状態です。

最終的には人間が食べてしまうのだから関係ないと思いますか?

集中飼育では動物が病気になる可能性が高く、そのために多量の抗生物質を与えているのです。
集中飼育の豚の飼料は、その80%に抗生物質が含まれていると、このオーナーが教えてくれました。

この豚さんたちは雑草をモリモリ食べてくれて、糞で土地を豊かにしてくれます。来年にはとうもろこしの畑になるのか、それとも米か、何かしらの穀物がこの畑で元気に育つことでしょう。

ヨーロッパの中でも、最も有機農業が進んでいるイタリア。

これからもこの分野が発展し、さらに多くの有機農産物が普及するといいなと思います。

パダーナ平原とロンバルディア平原

イタリアのトリビア
10 /05 2016
北イタリアに広がる大きな平原。ポー川が中心を東から西に流れていく場所をパダーナ平原と呼びます。
しかしミラノがある地域をロンバルディア平原と呼ぶこともあります。一体この二つの平原の境目はどこなんでしょう?

Wikipediaで「pianura lombarda」と検索すると「pianura padana」のページが開かれます。
実はこの二つは同じ場所を表す言葉だったんですね。
pianura padana
こんなに広い地域。ピエモンテ州、ロンバルディア州、エミリアロマーニャ州、ヴェネト州と4つの州に渡っています。4,7000㎢。

それぞれの名前の由来は…
パダーナ Padus(ラテン語のポー川)から

ロンバルディア esarcato(ピザンチン帝国支配下のイタリアの太守の行政区)時代に、この地方に住んでいたドイツ系民族longobardiから

「パダーナ」という言葉は、この地方のイタリアからの独立を叫んだ北部同盟党によって近年に使われることが多くなりました。それまではチーズの名前グラーナ・パダーノの方で有名だったかもしれませんね。

求む「白い声」

イタリアのトリビア
04 /06 2016
フィレンツェの大聖堂が50年ぶりに新しい少年聖歌隊を作るため「白い声」の持ち主を探しているそうです。
voci bianche(白い声)とは、「ボーイソプラノ」のことなんです。
duomo
対象年齢は7〜11歳ということで、2016年5月7、8日がオーディションとなるそうです。

受かったら、無料のレッスンを受けることができます。
デビューすれば、グレゴリウスからクラッシック、現代音楽までの聖歌、アカペラなどをミサで歌うことになります。
またコンサートや姉妹都市イベントなどに呼ばれることもあるそうです。

少年合唱団といえばウィーンの合唱団がすぐに頭に浮かびますが、フィレンツェ少年合唱団もこれから有名になるかも?

狂った3月

イタリアのトリビア
03 /04 2016
日本でも三寒四温という言葉がありますが、イタリアでも3月の天候は変わりやすいもの。
3月
春のように暖かい日もあれば、翌日に冬に後戻り。そんな季節を表すイタリア語のことわざはたくさんあります。

◉A volte si crede di trovare il sole d'agosto e si trova la luna di marzo.
8月の太陽を見つけたと信じていたら、3月の月だった。

◉Chi ha messo marzo in primavera ha fatto male.
3月を春の中に入れた人は間違っていた。

◉Marzo arido, aprile umido.
乾いた3月、湿った4月。

◉Marzo cambia sette cappelli al giorno.
3月は1日に7つの帽子を変える。

◉Marzo è un mese pazzo.
3月は狂った月。

◉Marzo ha comprato la pelliccia a sua madre, ma tre giorni dopo l'ha venduta.
3月は母に毛皮を買ったが、3日後に売った。

◉Marzo nuvoloso, estate piovosa.
3月曇れば、雨の多い夏。

◉Marzo pazzerello guarda il sole e prendi l'ombrello.
冗談好きの3月は、太陽を見て傘を手にする。

◉Marzo, vuol far sempre le sue.
3月は自分勝手。

◉Nel marzo, un sole e un guazzo.
3月には太陽と水たまり。

◉Quando marzo fa aprile, aprile fa marzo.
3月が4月のようであれば、4月は3月のようになる。

3月はイタリア語でmarzo
「天候が不順である」という意味の動詞「marzeggiare」はmarzoから来ています。
(3月のように)天候が不順であるといういうことなんですね。
こんなに天気が不順な季節。朝に太陽が出ていても、バッグの中には傘を忍ばせて出かけましょう。

ミケランジェロは教会の擬人化が好き?

イタリアのトリビア
02 /02 2016
ミケランジェロは教会のことをまるで人のよう形容することが多いのです。

伝説によればミケランジェロはローマに旅発つ前に父親に宛てた手紙の中で、サン・ピエトロ寺院のために設計するクーポラについて触れています。
「(フィレンツェ大聖堂のクーポラの)姉妹をつくるためにローマに行く。それはもっと大きいものになるだろうが、もっと美しいものを作ることはできないだろう」
cupola

ミケランジェロはサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂に恋をしていたので「私の花嫁 la mia sposa」と呼んでいたとか。
smn

またミケランジェロ広場の裏手の丘の上に建つサン・ミニアート・アル・モンテ教会を「美しい田舎娘」と呼んでいました。
smam

なぜみんな女性の擬人化呼称かというと、la chiesa(教会)もla cupola(丸屋根)も女性名詞なので、女性のように形容しているんですね。
擬人化するぐらいミケランジェロの頭の中では建築は親しいものだったのでしょう。

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。