聖シルヴェストロの夜

イタリアのトリビア
12 /31 2016
大晦日である12月31日はカトリックの世界では「聖シルヴェストロの日」です。

聖シルヴェストロは4世紀のローマ教皇で、在位期間は22年近く続きました。ローマ教皇としては33代目に当たります。
聖シルヴェストロ
伝説ではローマ皇帝のコンスタンティヌス1世に洗礼を施した教皇とされています。これが史実でないとしても、キリスト教がローマの国教となった大事な時期に法王であったことになります。亡くなったのが335年12月31日。

イタリアでは、家族で過ごすクリスマスに対して友人どうしで集まって騒ぐ賑やかな夜が聖シルヴェストロの日です。

フィレンツェの街中でも広場で夜中にコンサートがあり、そして花火を打ち上げて新年を祝います。爆竹を鳴らす人も多いので、大きな音にびっくりするツーリストも多いかもしれませんね。

ちなみに新しい赤い下着を身につけて年を越せば幸運をもたらすと言われていますので、この季節の下着屋さんのウィンドウのマネキンはみんな、赤い下着をつけていますよ。

31日の夕食の定番料理はレンティッケ(レンズ豆)とコテキーノ(豚の肉、川、脂で作ったソーセージ)
両方とも「新年、経済的に良いことがありますように」というゲン担ぎの品です。
コテキーノ

昼間は快晴で暖かいですが、朝は零下まで下がる現在の気候。
イタリアで新年を迎える観光の方も風邪をひかないように気をつけてくださいね。

それでは今年も『フィレンツェガイド日記』をご訪問いただき、ありがとうございました。
2017年も宜しくお願い申し上げます。

フィレンツェは住みにくくなった?

イタリアのトリビア
12 /01 2016
ローマのサピエンツァ大学が毎年発表する「イタリア住みやすい町ランキング」というものがあります。
「仕事」「環境」「犯罪率」「社会的・個人的不便さ」「人口」「金融サービス」「教育サービス」「福祉」「余暇」「生活状態」などをポイントにして割り出す調査です。

2016年、一位に輝いた「イタリアで一番住みやすい町」は…
北イタリア、ロンバルディア州のマントヴァでした!

2位 トレント(トレンティーノ・アルトアディジェ州)
3位 ベッルーノ(ヴェネト州)

最下位は…クロトーネ(カラーブリア州)

いつも上位には北イタリアの都市が、下位に南イタリアの町が並びます。

ローマ、ミラノ、ナポリといった大都市が軒並みランクを落としているのが今年の特徴で、都市での生活の質が落ちています。

トスカーナ州の傾向はどのようになっているでしょう?
なんとフィレンツェは22位落下して、48位!
この新聞の記事では一体どの部分が悪化したのかわかりませんが…

シエナがトスカーナ州では一番住みやすい都市で5位。以下、

30位 グロッセート
41位 アレッツォ
42位 ピストイア
45位 ピサ
48位 フィレンツェ
50位 ルッカ
52位 リヴォルノ
68位 プラート
83位 マッサ・カッラーラ

フィレンツェだけではなく、アレッツォやピサ、リヴォルノ、プラートが去年よりランキング落ちしていることから、トスカーナ主要都市が住みにくい町へと全体的に下降しています。

シエナはそれに対して去年の11位から5位に躍進なんですね。シエナといえば銀行の町。モンティ・ディ・パスキ銀行の危機から、伝統行事のパーリオ開催が危ぶまれた年もありましたが、銀行ショックから抜け出したのでしょうか。

参照 FIRENZETODAY

ミラノの稲作

イタリアのトリビア
10 /07 2016
ミラノ近郊の有機農業アグリツーリズモCascina Caremmaを見学した時に、オーナーから聞いた話です。

ミラノ南西には稲作地域が広がっています。
でも日本の水田とかなり様子が違うような?
campo di riso1
この地域では1500年代から稲作が行われてきたそうです。
背が低いのは「短稈(たんかん)種」だから。背が低いと風が吹いても倒れにくいとか。
よく栽培されているのはArborioという、よくリゾットを調理するのに使われる種類。ジャポニカ米です。

また密植(間隔を開けずに植物を密に植えること)なので、水田の疎植のイメージとかけ離れているのですね。
campo di riso2
稲の間には雑草があちらこちらに見られます。有機栽培のため除草剤を使っていないので、このような姿になるんだそうです。

ヨーロッパではイタリアとスペインに稲作地域が広がっていて、イタリア国内ではピエモンテ、ロンバルディア、ヴェネト、エミリアロマーニャ、サルデーニャと5つの州で栽培が行われています。
サルデーニャ島は乾いた気候というイメージがあったので、稲作が行われている様子が想像できません。

有機農場の古代豚

イタリアのトリビア
10 /06 2016
ミラノ近郊の有機農業アグリツーリズモCascina Caremmaを見学した時に、オーナーから聞いた話です。

このアグリツーリズモには宿泊施設・レストラン・Spaがあり、特にミラネーゼがお客様がいらっしゃる場所です。
このレストランの料理は野菜から肉まで全て有機農産物。
周りの畑で耕されている0km食品ばかり。無農薬と地産地消がモットーです。

広〜い畑で悠々と暮らす豚たち。
suino
黒いのはモーラ・ガラスケーゼという古代種の豚で、絶滅しかかっていた種を救うためにここで飼育されているんだそうです。シエナの豚チンタ・セネーゼの境遇と似ていますね。

この農場では豚1頭につき400㎡の面積が確保されています。
一方、動物をぎゅうぎゅう詰めにしている集中飼育ではどのぐらいの面積か知っていますか?

なんと1頭につき2㎡だけ。身動きできない状態です。

最終的には人間が食べてしまうのだから関係ないと思いますか?

集中飼育では動物が病気になる可能性が高く、そのために多量の抗生物質を与えているのです。
集中飼育の豚の飼料は、その80%に抗生物質が含まれていると、このオーナーが教えてくれました。

この豚さんたちは雑草をモリモリ食べてくれて、糞で土地を豊かにしてくれます。来年にはとうもろこしの畑になるのか、それとも米か、何かしらの穀物がこの畑で元気に育つことでしょう。

ヨーロッパの中でも、最も有機農業が進んでいるイタリア。

これからもこの分野が発展し、さらに多くの有機農産物が普及するといいなと思います。

パダーナ平原とロンバルディア平原

イタリアのトリビア
10 /05 2016
北イタリアに広がる大きな平原。ポー川が中心を東から西に流れていく場所をパダーナ平原と呼びます。
しかしミラノがある地域をロンバルディア平原と呼ぶこともあります。一体この二つの平原の境目はどこなんでしょう?

Wikipediaで「pianura lombarda」と検索すると「pianura padana」のページが開かれます。
実はこの二つは同じ場所を表す言葉だったんですね。
pianura padana
こんなに広い地域。ピエモンテ州、ロンバルディア州、エミリアロマーニャ州、ヴェネト州と4つの州に渡っています。4,7000㎢。

それぞれの名前の由来は…
パダーナ Padus(ラテン語のポー川)から

ロンバルディア esarcato(ピザンチン帝国支配下のイタリアの太守の行政区)時代に、この地方に住んでいたドイツ系民族longobardiから

「パダーナ」という言葉は、この地方のイタリアからの独立を叫んだ北部同盟党によって近年に使われることが多くなりました。それまではチーズの名前グラーナ・パダーノの方で有名だったかもしれませんね。

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。