ヴァチカン美術館の年間入場者数はどのくらい?

イタリアのトリビア
06 /02 2017
2016年のウッフィツィ美術館の年間入場者数が200万人超えで、イタリアで一番多くの人が訪れる美術館だ、という新聞la Repubblicaの記事を、以前の日記で紹介しました。

あれ?ヴァチカン美術館の方が多そうだけど?
と疑問が浮かんだのですが、あちらはヴァチカン市国にあるので、イタリア国立美術館ではないのですね。
それではヴァチカン美術館の年間入場者数はどのぐらいなのでしょう?

まずヴァチカン美術館はイタリア語ではmusei vaticaniと複数形で呼ばれます。
つまり美術館群という方が正しいのですね。

ピオ・クレメンティーノ美術館
グレゴリアーノ・エジプト美術館
グレゴリアーノ・エトルリア美術館
キアラモンティ美術館
ブラッチョ・ヌオーヴォ
バチカン図書館
地図のギャラリー
バチカン絵画館(ピナコテーカ)
グレゴリアーノ世俗美術館
ピオ・キリスト教美術館
布教・民族学美術館
馬車博物館

以上12美術館に、さらにシスティーナ礼拝堂やボルジアの間などのモニュメントを合わせた総称がヴァチカン美術館なのです。

年間入場者数は600万人!
参照 R.it

面積4万㎡を考えれば、納得です。

そしてウッフィツィ美術館が年間入場者数1位のイタリアの美術館という記事に関してですが、訂正したいと思います。
Ministero dei beni e delle attività culturali e del turismo(国家財産と文化活動と観光省庁)の発表によると、正しい順位は

1位 コロッセオとフォロ・ロマーノ 640万人
2位 ポンペイ遺跡 328万人
3位 ウッフィツィ美術館 201万人
4位 フィレンツェのアカデミア美術館 146万人

ということでした。コロッセオって、そんなに人気なんだ!とちょっと驚きました。
コロッセオもポンペイも遺跡ですから、絵画などを鑑賞する美術館としては、ウッフィツィが1位ということですね(ちょっと負け惜しみ?)
参照 beniculturali.it

イタリア人の何%がクリスチャン?

イタリアのトリビア
05 /16 2017
お客様から「イタリア人ってみんなキリスト教徒ですか?」と聞かれることが多いので、調べてみました。

まずイタリアの人口は6066万人、世界で23番目に多い人口を持つ国です。日本が1億2714万人ですから、イタリア人は日本人の半分弱といったところです。

そしてイタリア人の71.4%がキリスト教徒、そのうち66.7%がカトリックです。
(これは国籍に限らず、イタリア在住全人口に対する数字です)
カトリック以外のキリスト教徒は正教会が1700万人、プロテスタントが70万人ほどです。

このパーセンテージは洗礼を受けた人を数えたものですが、今の若いイタリア人はあまりミサに熱心に参加しているようには見えません。
Eurispesのリポートによれば、イタリア人カトリックのうち定期的にミサなどに参加する信者は36%だけ(2006年)
同じ機関の2010年の報告では、信者は現象傾向で
praticanti (定期的に宗教活動に参加する人) 24,4%
non praticanti (参加しない人)       52,1%
どうやら毎週日曜日にミサに行くような熱心な信者は4人に1人だけなんですね。

またGlobal Index of Religion and Atheismの2012年の調査によれば
「キリスト教に限らず何かしらの宗教の信徒である」73%
「宗教を信仰していない」15%
「無神論者」8%
下の二つを合計すると、宗教を信仰しない人は23%になります。ちょっとイタリア人のイメージが変わりました。

キリスト教以外の教徒は主に移民によって増えている形です。
ムスリム 200万人(3,1%)
仏教    25万人 (0,4%)
ヒンズー教 17万人 (0,3%)

30人に1人がムスリム、大都市なら、さらにパーセンテージが高いことでしょう。都市にモスクが建設されていく傾向なのもわかります。

イタリアで家が高価なのはどの町?

イタリアのトリビア
05 /14 2017
「イタリアの都市で20万ユーロ(2,400万円)あったら、どんな家が買える?」という記事を見ました。
購入するなら、どの都市の家が高い?安い?という比較です。
一番高いのはローマ、一番安いのはシチリア島のパレルモということです。
同じ値段で都市によってはワンルームしか買えなかったり、一軒家が買えたりとかなり違いがあるようです。
記事を出したのは不動産の賃貸契約や売買をするTecnocasaという企業。

それでは20万ユーロで買える不動産、高い順番に並べてみましょう。

ローマ 37㎡ 中心街だと、もっと小さい面積の家しか買えません。

ミラノ 74㎡ ここでも中心街だと34㎡

フィレンツェ 78㎡ 中心街だと60㎡

ナポリ 96㎡

ボローニャ 112㎡

バーリ 130㎡

トリノとヴェローナ 146㎡

ジェノヴァ 157㎡

パレルモ 170㎡ 1㎡を平均価格1169ユーロ(14万4千円ぐらい)で購入可能

観光都市なら不動産を買って、旅行客に貸すという投資も可能ですね。実際にフィレンツェでもアパートを観光客に貸している人がいます。

参照 enti e tribunali

イタリアの原子力発電 ベルルスコーニ〜福島〜国民投票2011

イタリアのトリビア
04 /29 2017
イタリアの原子力発電所についてまとめる第2弾です。

1987年の国民投票にて「地方自治体が原子力発電所建設を許可しない場合、国は作業を停止すること」に国民が賛成多数を投票。
この時点で建設中であった新しい原発は2箇所ありました。
◉モンタルト・ディ・カストロ(ラツィオ州)
 →建設は中止され、海水取入れなどの一部機能はその後建設されたアレッサンドロ・ボルタ火力発電所に利用。
◉トリーノ(ピエモンテ州 大都市TorinoではなくTrino)
 →建設は中止され、コンバインドサイクル発電(ガスと蒸気を内燃機関に使う)に移行。

ガリリアーノ原発はすでに故障により82年に停止していました。
残りはラティーナ(87年停止)エンリコ・フェルミ(90年停止)カオルゾ(90年停止)
これはこの時期に政権を担当したゴリーア政府、デ・ミータ政府、アンドレオッティ政府が総じて「原子力統一計画 Progetto Unificato Nucleare」を放棄する方向に転換したためです。
ラティーナとエンリコ・フェルミはすでに老朽化していたので、予定よりも大きく前倒しで停止したのはカオルゾだけということになります。

1999年の時点で全てのイタリア国内の原子力発電所はSOGIN社の管理下にあり、2025年を最終目標に原発取り壊しのフェーズになっていました。
放射性廃棄物の98%はフランスの Areva社とイギリスのBNFL社に運ばれ処理されたのち、それぞれイタリアに2025年と2017年に返却予定になっています。

原子力発電所の閉鎖に伴い、需要の3〜4%電気量が足りないことになり、これは主に石炭とガスによって補充されます。

原子力発電がないためにイタリアではヨーロッパの他の国よりも電気代が高いという説がありますが、本当でしょうか?
2006年の調査では、消費量が少ない(年間600 kWh以下)家庭ではヨーロッパで最も安い電気代となっています。
しかし工業における電気料金はヨーロッパ平均よりも15〜35%ほど高くなっています。

2005〜2008年のベルルスコーニ政権の時代に、再びイタリア国内での原子力発電の利用が討議されることになりました。これはガスと石油の値段が高騰したことが原因となっています。

経済発展大臣 ministro dello Sviluppo Economicoのスカイオーラは「需要の25%を原子力発電で、25%を自然エネルギーで供給する」という目標を掲げました。

原子力発電を可能とするために「Strategia energetica nazionale 国家エネルギー戦略」が国会で可決されます。
この法律は憲法違反であるとして3つの州が上訴したため、改案され再び可決されます。
これに対し今度は10州が異議申し立てをしたり、政府側が原発建設禁止する州法(プーリア、バジリカータ、カンパーニャの3州)を憲法裁判所に訴えたりと、法的な応酬が続いたのが2009〜2010年頃です。

同時期に、イタリア政府はフランス政府と原発にて協力するという協定書に署名をしています。
イタリアのEnel 社とフランスのÉlectricité de France社が「Sviluppo Nucleare Italia S.r.l. イタリア原子力発展」ジョイントベンチャーに50%ずつ出資して、2020年までに少なくとも第3世代の原子炉を4つ建設するという計画でした。
イタリア政府はまたアメリカのオバマ政権とも原子力発電に関しての協約に署名しています。

2011年3月 福島原発事故
2011年6月 イタリア国民投票


「L'Italia dei Valori 価値のイタリア党」によって提案された国民投票で4つの設問が市民に問われました。
投票率 54,8%

3つ目の設問が「国内原発建設に同意する新しい規定を廃止」
賛成  94,05%
反対  5,95%

1987年の国民投票の時よりも投票率は低いものの、原発反対意見の%はさらに高くなっています。

反対派の意見は次のようなものがありました。
「イタリアの大部分は地震が多く、海岸線は水没の危険がある」
「普通のゴミさえ満足に処理できないイタリアで核廃棄物がまともに処理できるはずがない」
「以前閉鎖した原発の核廃棄物でさえ、どこに保管するか困っている」
「利権と腐敗にまみれた政治と犯罪集団があるため、原発の正しい運営と安全コストが保証できない」
「ウランが産出できないイタリアでは、どのみち外国次第のエネルギー政策だ」
「耐久年数や様々なコストを考えると経済的に特ではない」
「原発を使ったからといって電気代が低くなるという確証はない」
「世界では原発は危険で無駄であるというのが一般的な考えになっている」

参照
Energia nucleare in Italia
Referendum abrogativi del 2011 in Italia

キアニーナの子牛は茶色

イタリアのトリビア
04 /19 2017
フィレンツェの名物料理「フィレンツェ風Tボーンステーキ」
この料理に使われるのがキアニーナと呼ばれる種類の牛です。
毛色が真っ白い、とても美しい姿をしているのですが、なかなか放牧しているところを見かけることができません。

ところが先日、サンジミニャーノの近郊のアグリツーリズモにて牛舎の中にいるキアニーナを見学することができました。
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美味しそうに牧草を頬張っているキアニーナのメス。
彼女は2日前に出産したばかりなんだとか。
隣に子牛もいました。
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茶色い??
そうなんです、キアニーナは生まれた時は柔らかい茶色なんです。

それがいつ頃、白くなっていくのか?
隣の区画に生まれて5〜6ヶ月の子牛たちが集められていました。
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おお〜、すでに神々しいほど白いです!
数ヶ月でキアニーナ本来の色になるんですね。

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。