シニョーリア広場のUrs Fischer

シニョーリア広場地区
09 /29 2017
シニョーリア広場に置かれた大きなオブジェ、スイス人芸術家Urs Fischerの作品です(2017年9月22日〜2018年1月21日)
fisher
2011年のヴェネツィアのビエンナーレにて大きな評価を受けたアーティストで、その時の作品はシニョーリア広場にあるジャンボローニャの「サビニ女の略奪(原寸大)」を蝋で作り、展示期間中に作品がだんだんと溶けていくものだったそうです。

参照→ Urs Fischerの作品 - ベネチアアートビエンナーレ 2011にて

今回、シニョーリア広場に設置された彼の作品は「Big Clay」という題名で、12mの高さを持つ巨大な作品です。
原始的な幼稚な、トーテムのような建築のような作品…
よく見ると表面にはアーティストの指紋が見られ、実際に粘土で作った作品を巨大化して金属で再現したものだそうです。「手を使った創造的な行動はシンプルで日常的なものである」ことを表現しています。

ヴェッキオ宮殿の前にはもう2点の作品が設置されましたが、そちらは実在する人物、美術評論家のFrancesco Bonamiとロックバンドのザ・ストロークスのドラムFabrizio Morettiの像を蝋で表現しています。こちらは1ヶ月をかけて段々と溶かしていく予定だとか。

参照→Urs Fisher conquista Piazza della Signoria

アカデミアの古楽器 セルペントーネ

サンマルコ地区
09 /28 2017
フィレンツェのアカデミア美術館には楽器が展示されている区画があります。これは1996年の美術館の再編成のおりに、アカデミアの隣にあるルイージ・ケルビーニ音楽院所有の古楽器が見れるようになったものです。

今日は古楽器コレクションの一つ「セルパン(伊語 serpentone セルペントーネ)」をご紹介します。
amusica6
セルペントーネとは「大きな蛇」の意味ですが、楽器の形がまさにそれ。

セルペントーネは金管楽器(演奏者の唇の振動によって発音する管楽器で、金属でできているかどうかは関係ない)の一つです。主に胡桃や栗の木を使って制作されるセルペントーネは、木製の有孔の低音金管楽器。マウスピースの部分は動物の角か象牙が使用されました。
16世紀におそらくフランスで生まれ、特に教会でグレゴリスス聖歌に利用されていました。19世紀半ば以降はあまり使われていない古楽器となります。19世紀にはオフィクレイドに取って代わられ、現代ではさらにオフィクレイドの代わりにチューバが使用されています。

奏でるとこんな音色!

アカデミアの古楽器 ギロンダ

サンマルコ地区
09 /27 2017
フィレンツェのアカデミア美術館には楽器が展示されている区画があります。これは1996年の美術館の再編成のおりに、アカデミアの隣にあるルイージ・ケルビーニ音楽院所有の古楽器が見れるようになったものです。

今日は古楽器コレクションの一つ「ハーディ・ガーディ(伊語 ghironda ギロンダ)」をご紹介します。
amusica5
ギロンダは弦楽器の一種で、張られた弦の下を通る木製のホイール(回転板)が弦を擦る楽器です。このホイールがヴァイオリンで言えば弓となりますが、ホイールはクランク(ハンドル)で操作され「機械仕掛けのバイオリン」といった感じです。

11世紀以前に西ヨーロッパで生まれた楽器で、古い型のものはオルガニストルムorganistrumと呼ばれ、2名で演奏するようになっていました。1人がランクを回し、もう1人が鍵を引きあげるものとなります。
のちに小型化して1人で演奏できるようになったタイプが、この美術館に展示されているものです。
13世紀ごろに小型化したオルガニストルムは「シンフォニア」という名前で呼ばれるようになりました。
17世紀にはフランス宮廷でロココ趣味から田舎風が流行り、ギロンデは上流層でもてはやされたそうです。弦楽器製造者Henri Bâtonによって制作されたギロンダには「ギター型」と「リュート型」がありました。

奏でるとこんな音色!

この動画に出てくる演奏者によれば、20世紀には一時期廃れたものの、現在はエレキギロンダもあり、いろんなジャンルの演奏に使われているよ!とのことです。

アカデミアの古楽器 トロンバマリーナ

サンマルコ地区
09 /26 2017
フィレンツェのアカデミア美術館には楽器が展示されている区画があります。これは1996年の美術館の再編成のおりに、アカデミアの隣にあるルイージ・ケルビーニ音楽院所有の古楽器が見れるようになったものです。

今日は古楽器コレクションの一つ「トロンバマリーナ」をご紹介します。
そのまま訳すと「海のトランペット」となるトロンバマリーナ。
トランペットとはかけ離れた楽器であるのが一目瞭然なのですが…
amusica4
まず「マリーナ」は「海の」ではなく、「マリアーナ(マリア様の)」が縮まった言葉ではないかと考えられています。
この楽器は宗教音楽を演奏する時に使われていたからです。実際ドイツ語ではNonnengeige(尼僧のヴァイオリン)と呼ばれます。
そして「トロンバ」にはイタリア語で「竜巻」という意味もあります。楽器の形が「海の竜巻」に似ているから?

弦は1本だけというのが普通ですが、4本の弦を持つトロンバマリーナもあったそうな。

奏でるとこんな音色!

フェルディナンド皇子とストラディバリウス

サンマルコ地区
09 /25 2017
フィレンツェのアカデミア美術館には楽器が展示されている区画があります。これは1996年の美術館の再編成のおりに、アカデミアの隣にあるルイージ・ケルビーニ音楽院所有の古楽器が見れるようになったものです。

メディチ家からその後のロレーヌ家の時代までのトスカーナ大公宮廷の、50を越える楽器コレクション(17世紀〜19世紀始め)が展示されています。

楽器ととも絵画作品「フェルディナンド皇子とその宮廷の音楽家たち」(アントン・ドメニコ・ガッビアーニ作)が展示されています。
amusica3
右から2番目の青い洋服を着ているのがフェルディナンド皇子。
メディチ家のコジモ3世とフランス王ルイ13世の娘であるマルゲリータ・ルイーザの間に長男として生まれました。
(そういえばルイ13世の母親マリアはメディチ家からアンリ4世にお嫁入りした人物ですね)
一番右手にいるのは歌手のヴェンチェンツォ・オリヴィッチャーニ、またフェルディナンドの左に胸部から上が描かれているのが作曲家のヘンデルです。
そして一人だけ座っているのがピエトロ・サルヴェッティ、フェルディナンド皇子の音楽教師だった人物です。彼が持っているチェロの弦が一本だけ銀となっていますが、当時としては金属の弦は革新的で低い音を出すのに役立ったそうです。

そしてこちらの絵画ではフェルディナンド皇子の宮廷で演奏していた音楽家達が描かれています。
amusica3
右手にヴァイオリン奏者とヴィオラ奏者が2人ずつ、そして左にチェロ奏者が1人。
合計5人(クインテット)が1690年にアントニオ・ストラディバリからフェルディナンド皇子に贈られた弦楽器を手にしているものと思われます。
残りの2人はマンダリンとチェンバロで伴奏しています。

そして絵画作品の横にはストラディバリのヴァイオリンとヴィオラが展示されています!
a-musica2
メディチ家の家紋入りのストラディバリウスです。

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。