洗礼者の首を受け取るヘロデア ベルナルディーノ・ルイーニ

シニョーリア広場地区
07 /06 2017
ウッフィツィ美術館、トリブーナの後に続く部屋には15世紀〜16世紀初期の北イタリアの画家の作品が並んでいます。
あまりグループ観光では通らない部屋ですが、ここに置かれている作品をチラッと紹介していくシリーズです。

「第23室 15世紀ロンバルディア地方 QUATTROCENTO LOMBARDO」
『洗礼者の首を受け取るヘロデア』ベルナルディーノ・ルイーニ
1527年ごろ 板絵テンペラ
eroide
この作品はウィーンの美術史美術館(Kunsthistorisches Museum)との作品の交換によってフィレンツェに来ましたが、当時はレオナルドの作品と考えられていました。
現在はロンバルディア地方のベルナルディーノ・デ・スカピス(ベルナルディーノ・ルイーニ)の作品とされています。
ルイーニとその工房の作品として、少なくとも6枚の同じテーマを扱ったバリエーションが存在します。
その中でもウッフィツィに展示されているものは、柔らかい明暗を使った、最もレオナルドの作風に近い作品です。
タイトルには「ヘロデア」の名前が付いていますが、首を受け取る若い女性はヘロデアなのか、その娘のサロメなのか判明していません。
この女性の顔はパルマの美術館にあるレオナルドの作品と酷似しています。
scapigliatura
ルイーニはレオナルドと直接仕事したと言われ、彼の作品の多くがレオナルドの作品とみられてきたほどに、多くの影響を受けています。
また彼が描くうっすらと開いた目をした優雅な女性像はルイーニの名から『ルイネスク』と呼ばれています。
マッジョーレ湖付近のルーノで生まれたルイーニは、ミラノやトレヴィーゾ、モンツァ、パヴィアなどで仕事をしました。

受胎告知 メロッツォ・ダ・フォルリ

シニョーリア広場地区
07 /05 2017
ウッフィツィ美術館、トリブーナの後に続く部屋には15世紀〜16世紀初期の北イタリアの画家の作品が並んでいます。
あまりグループ観光では通らない部屋ですが、ここに置かれている作品をチラッと紹介していくシリーズです。

「第22室 15世紀エミリア・ロマーニャ地方 QUATTROCENTO EMILIANO-ROMAGNOLO」
『受胎告知』『使徒と聖プロスドチモ(裏面)』
メロッツォ・ダ・フォルリ 1460年ごろ 板絵テンペラ
melozzo
おそらくタベルナーコロか、パイプオルガンの前面の扉として描かれた作品です。教会の家具にはこのような人物像が描かれた扉が付いていることが多かったのです。
受胎告知の反対側には、洗礼に使うツボを持っている姿から判明できる、パドヴァの最初の司教であった聖プロスドチモが描かれています。
彼の存在からアドリア海側、北部の地域のために製作された作品であることがわかります。

メロッツォは、短縮遠近法を使った最初の人物で、フレスコ画家として有名です。
フォルリで裕福な家系に生まれたらしいメロッツォは、アンドレア・マンテーニャから影響を受けています。
また一時期をウルビーノ公国にてフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ公に仕え、そのピエロ・デッラ・フランチェスカと出会い遠近技法を学びます。
その後ローマに移動、ローマ教皇シクストゥス4世から大きな仕事を任され、聖ルカ・アカデミーのオリジナル・メンバーの一人に選ばれます。
現代まで残った彼の作品はそれほど多くはないのですが、絵画の進歩に貢献した画家とされています。

聖セバスティアーノ ロレンツォ・コスタ

シニョーリア広場地区
07 /04 2017
ウッフィツィ美術館、トリブーナの後に続く部屋には15世紀〜16世紀初期の北イタリアの画家の作品が並んでいます。
あまりグループ観光では通らない部屋ですが、ここに置かれている作品をチラッと紹介していくシリーズです。

「第22室 15世紀エミリア・ロマーニャ地方 QUATTROCENTO EMILIANO-ROMAGNOLO」
『聖セバスティアーノ』ロレンツォ・コスタ 1490年ごろ 板絵テンペラ
lorenzo costa
若い聖人の半身を描いたロレンツォ・コスタ活動中期の作品です。
円柱に縛り付けられた聖セバスティアーノは、「エッケ・ホモ」か「円柱のキリスト」を想起させるモチーフです。
フェッラーラ派の偉大なマエストロの作風を引き継いでいます。特にエルコレ・デ・ロベルティの影響が大きく、モニュメンタルなモードと、1483年にボローニャに移った後に受けたヴェネツィア派の自然な色使いを合わせています。
作品は1906年にウッフィツィ美術館のコレクションに仲間入りしました。

コスタはフェッラーラ派のコズメ・トゥーラのもとで修行したという説もあり、20代の頃にボローニャに移ります。
後にマントヴァに行き、そこでゴンザーガ家のフランチェスコ2世をパトロンとして、死ぬまでその地で活動します。

聖ドメニコ コズメ・トゥーラ

シニョーリア広場地区
06 /28 2017
ウッフィツィ美術館、トリブーナの後に続く部屋には15世紀〜16世紀初期の北イタリアの画家の作品が並んでいます。
あまりグループ観光では通らない部屋ですが、ここに置かれている作品をチラッと紹介していくシリーズです。

「第22室 15世紀エミリア・ロマーニャ地方 QUATTROCENTO EMILIANO-ROMAGNOLO」
『聖ドメニコ』コズメ・トゥーラ 1480年ごろ 板絵テンペラ
cosmè tura
オリジナル作品は聖ドメニコの全身を表すものでした。フェッラーラの司教座聖堂参事会のコレクションから、1905年にウッフィツィのコレクションに仲間入りしました。
聖ジャコモや聖アントニオの絵とともに一つの祭壇画を成していましたが、それらは他の美術館に展示されています。

コズメ・トゥーラは15世紀のフェッラーラ派絵画の主要人物です。その活動の大部分はフェッラーラ公国を治めていたエステ家の依頼に結びついており、おそらくこの作品もエステ家の注文によるものと考えられています。

ピエロ・デッラ・フランチェスカと交友関係があったと言われるコズメ・トゥーラ、北イタリアで同時代に活躍した多くの画家たち(マンテーニャ含む)を輩出したフランチェスコ・スクワルチョーネの工房にて師事しました。
その作風は独特で、彫刻のような硬い形態、豪華な装飾。色調は強く、非現実的で、人物像もまるで金属か石からできているかのように見えます。
国際ゴシック様式の豪華さの流れに、パドヴァのルネッサンス様式とピエロ・デッラ・フランチェスカとフランドル地方の影響を受けて、独特の超現実的な作風を生み出したのです。

マリア様の指を握るイエス チーマ・ダ・コネリアーノ

シニョーリア広場地区
06 /27 2017
ウッフィツィ美術館改築により、展示部屋の構成が徐々に変わって来ています。
トリブーナの隣から、15世紀〜16世紀初期の北イタリアの画家の作品が並んでいます。
あまりグループ観光では通らない部屋ですが、今日からそちらに置かれている作品をチラッと紹介していきます。

「第21室 15世紀ヴェネト州 QUATTROCENTO VENETO」
『聖母子』チーマ・ダ・コネリアーノ 1504年 板絵テンペラ
cima da conegliano
作品は1881年にフィレンツェ美術アカデミーによって購入されました。
1882年よりウッフィツィのコレクションに入っています。

子供のイエスが母親であるマリアの左手親指を握っているというモチーフは珍しいもので、親子の情愛が表現されています。
マリア様の顔は深い影によって立体感が強調されているのが、この画家の特徴です。
背後に見える城は画家の生まれた土地の風景を表現していると考えられ、豊かで強い色調を前面の人物に使用し、背景は柔らかい色調にまとめるのも彼の作風です。

同じトーンの色調を重ねていく、16世紀のヴェネトの画家の特徴であるトナリズモの改革が起きる前の、ジョヴァンニ・ベッリーニの作風に寄っています。洗練された洋服の襞の描き方はマンテーニャ風。

画家の本名はジョヴァンニ・バッティスタ・チーマ、トレヴィーゾ地方のコネリアーノにて1460年頃に生まれました。
20歳の頃にヴェネツィアに移り工房を開きます。パルマ、ボローニャ、カルピといったエミリア地方の都市でも活動してます。
伝統的な古典主義のヴェネツィア共和国を代表する画家の一人です。
ジョヴァンニ・ベッリーニの弟子であったという説があり、カルパッチョやジョルジョーネの影響も見られます。

21室には、他にもカルパッチョやジョヴァンニ・ベッリーニの作品が展示されています。

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。